展覧会「イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの」が、2019年1月12日(土)から3月24日(日)まで開催される。
「イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの」では、“古い東洋と新しい西洋”を結び付けようとしていた2人の芸術家、イサム・ノグチと長谷川三郎を特集。
日米の地を受け継ぎ、西洋・東洋の垣根を越えて世界的視野から芸術を人々の生活に根付かせようとしたイサム・ノグチと、西洋近代美術の潮流と古い日本の芸術文化に通じ、両者の共通項を抽象芸術に見出した長谷川三郎。伝統とモダン、そして固有のものと外からの影響といったバランスをいかに美術の中に実現していくか、という共通した課題意識が、彼らの作品に現れている。
戦後の日本美術が進むべき道を切り拓こうとした、ノグチと長谷川の代表作が一堂に揃う他、日本初公開作品約40点も集結。絵画、彫刻、版画、写真、書など、合計約120点にも及ぶ作品が展示される。
1950年代に、ノグチがアメリカと日本を往復しながら制作した陶、石、アルミニウム、鋳鉄、鐘青銅、バルサ材による彫刻、数々の「あかり」などの作品には、ノグチが長谷川とともに日本で見た古い文化遺産や、長谷川との対話を通して深めた禅や東洋思想への理解が、表現されている。
ノグチのセルフポートレートとも言われる、小さな陶の《顔皿》、“重さのなさ”をテーマにバルサ材を使って制作された《死すべき運命》、抽象彫刻と日本の美を融合させた《書》といった作品群からは、表層的な日本趣味やスタイルにとらわれずに、日本の精神を内在化させた表現が見て取れる。長らく門外不出となっていた高さ2.6mの石彫《庭の要素》をはじめ、時代や文化の違いを超え、世界美術に向けてノグチが制作した、挑戦的な作品群が勢揃いする。
長谷川は、1954年に渡米。墨による抽象画の制作や展覧会活動と並行して茶の湯を実践したり、道教や禅を講じたりしながらフランツ・クラインをはじめとするアメリカの抽象画家達と交友を深めた。その後、サンフランシスコに移住してビート・ジェネレーションと呼ばれる作家や若い芸術家達にも影響を与えている。
会場には、1937年に制作された《蝶の軌跡》をはじめとする抽象作品、写真から、渡米後に制作された長谷川の知られざる墨画やフォトグラムまでを展示。切り株や木片の地肌を直接紙に写し取る“拓刷り”の技法を用いた《自然》は、抽象的なフォルムと絶妙な余白が特徴的な作品。西洋的な抽象性と、東洋の伝統技法や空間感覚を見事に融合させているのがわかる。
イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの
会期:2019年1月12日(土)~3月24日(日)
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※2019年3月2日(土)は20:30まで(入館は20:00まで)
休館日:木曜日(2019年3月21日[木・祝]は開館)、3月22日(金)
※会期中、一部作品の展示替えあり。
■チケット
料金:
・一般 1,500(1,300)円、一般団体1,400円
・大学・高校生 900(700)円、大学・高校生団体 800円
・中学生 600(400)円、中学生団体 500円
※()内は前売料金。
※小学生以下無料
※65歳以上は一律1,400円(要証明書、美術館券売所でのみ対応)
※前売券販売期間:2018年11月12日(月)~2019年1月11日(金)
※団体は有料20名以上(要事前予約)
※毎週土曜日は高校生以下無料(要生徒手帳、学生証)
※障がい者手帳を持参者と介護者(1名)は無料。
※観覧当日に限り本展観覧券で「横浜美術館コレクション展」も観覧可。
※先行ペア券(1セット2枚、2,000円)は2018年11月11日(日)まで販売。