映画『ダンサー そして私たちは踊った』が、2020年1月5日(日)にシネマート心斎橋での劇場発信型映画祭「のむコレ3」で上映されたのち、2月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほかにて全国公開される。
本作は、以前はグルジアとして知られた小国ジョージアを舞台に、国立舞踊団で厳しいトレーニングを積む主人公・メラブと、突如として現れカリスマ的な魅力にあふれるライバル・イラクリの関係性に焦点を当てたヒューマンドラマだ。
2人だけの練習を契機にやがて恋心へと変わる、メラブのライバル心。「ジョージアン・ダンスに弱さはいらない」というセリフが表す通り、舞踊団の男性ダンサーに求められるのは、ひたすら力強くあること。突如訪れた“同性への恋”によって、大きな変化を余儀なくされたメラブが人生をかけて踊ったダンスとは? ダンサーとしての葛藤や野心、抗えない感情と共に、徐々に変化していく両者の関係性を描きだす。
ジョージアの国立舞踊団で、幼少期からダンスパートナーのマリとトレーニングを積んできたメラブ。日中のハードな練習の後はレストランでのアルバイトで家計を一手に引き受け、気持ちの休まる暇もない。そんなある日、カリスマ的な魅力のあるイラクリが入団し、同時にメイン団の欠員補充のためのオーディションの開催が知らされる。イラクリの持つダンスの才能に驚き芽生えたライバル心が、オーディションに向けての2人だけの特訓を経て、憧れと抗えない欲望へと変化していく……。
2019年のカンヌ国際映画祭でのプレミア上映を皮切りに各国で高い評価を獲得しているほか、第92回アカデミー賞国際長編映画賞部門スウェーデン代表に選出されるなど、各方面から高い注目を集めている本作だが、国内最大の教徒数を持つとされる「ジョージア正教会」は、同性同士の恋愛を描いた本作が「ジョージアとキリスト教の価値を貶める」として、上映中止を求める声明を発表。右翼部隊が上映に抗議し映画館に突入しようとするなど、舞台となったジョージアでは空前の騒動となった。
ただし、自身もジョージアにルーツを持つ監督のレヴァン・アキンに言わせれば、本作は“ジョージアへのラブレター”。2018年の「のむコレ」でヒットを記録した映画『ゴッズ・オウン・カントリー』の監督フランシス・リーも、「私たちを途方もなくエモーショナルな旅に連れ出す作品」と称賛しており、それほど本作が人々の感情を揺さぶるエモーショナルな人間ドラマであるということだろう。
主人公・メラブを演じるのは、コンテンポラリーダンサーとしてジョージアで活躍する21歳のレヴァン・ゲルバヒアニ。なんとインスタグラムを通じてアキン監督にスカウトされたという。
野心と情熱を迸らせたダンスシーンに加え、現実にもがきながらも根底にある純真さ、あどけなさを見せる演技が高く評価され、本作がスクリーンデビュー作ながら、オデッサ国際映画祭やサラエボ国際映画祭で主演男優賞を獲得。また2019年スウェーデン・アカデミー賞では、主演男優賞をはじめ、作品賞含む最多4部門を受賞している。
映画『ダンサー そして私たちは踊った』
公開日:
・2020年1月5日(日) シネマート心斎橋「のむコレ3」で上映
・2020年2月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町およびシネマート新宿ほかにて全国公開
監督:レヴァン・アキン
出演:レヴァン・ゲルバヒアニ、バチ・ヴァリシュヴィリ、アナ・ジャヴァヒシュヴィリ
原題:And Then We Danced
配給:ファインフィルムズ
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