特別展「開館50周年 超・名品 展」が、神戸の兵庫県立美術館にて2020年6月2日(火)から6月7日(日)まで開催される。尚、観覧には事前予約が必要。
美術に対する捉え方は、時とともに変化する。新たな名作が発見されることがあれば、解釈が変わることで評価が高まることもあり、逆に“オーラ”が減ることで評価の核心が捉えづらくなることもある。「開館50周年 超・名品 展」は、日本の近代絵画約100点を通して、美術作品の「名品」とは何か、そしてどのような可能性を持つかに迫る展覧会だ。
何を「名品」とするかは、時代とともに変化してきた。本展では、今のわたしたちにとっても身近な焼き豆腐を描いた高橋由一《豆腐》や、重要文化財である和田三造《南風》など、調査や研究により再評価された作品や、変わらぬ魅力を発し続ける作品などを中心に展示する。
また大正期からは、個性派の作家や、1980年代中盤以降の研究で評価を高めた新しい傾向の作品を紹介。柳瀬正夢の《五月の朝と朝飯前の私》や、パリでの生活のなかで描かれた佐伯祐三《リュクサンブール公園》などとともに、作品と作家像の関係性へも光をあてる。
続く昭和期には、大衆に支持されることで巨匠や大家が現れることとなった。会場では、着物を着た女性を緻密に描いた安井曾太郎《座像》といった絵画のみならず、安井仲治《公園》など当時大衆の人気を集めた写真や版画もおり交ぜて紹介する。
さらに展覧会の終盤では、草間彌生の《No.B White》や、日本のポップアートの代表作ともいえる篠原有司男《女の祭》など、戦後から1970年代までの作品を展示。ある作品を「名品」と呼ぶこと自体、美術における権威を生み出し、それを維持してしまう。そうしたなかで本展は、「名品」という言葉を超えて、作品へと直に向き合うことができる機会を提供してくれるだろう。
特別展「開館50周年 超・名品 展」
会期:2020年6月2日(火)~6月7日(日)〈事前予約制〉
※観覧には兵庫県立美術館公式ウェブサイトにて事前予約が必要。詳細は公式ウェブサイトに記載。
※兵庫県立美術館は2020年3月20日(金)から臨時休館していたが、6月2日(火)以降再開。
会場:兵庫県立美術館 企画展示室
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
開館時間:10:00〜18:00※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,300円、大学生 900円、70歳以上 650円、障がい者 一般 300円 / 大学生 200円、高校生以下 無料
※価格はいずれも税込
※70歳以上および障がい者は、会期中の当日、館内券売所でのみ販売
※障がい者1名につき、介護の方1名は無料
※コレクション展は別途観覧料が必要(本展とあわせて観覧する場合は割引あり)
※主な販売場所:阪神(当日一般のみ)、近鉄主要駅、JTB レジャーチケット(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ 当日券 0253241)
【問い合わせ先】
兵庫県立美術館
TEL:078-262-0901(代)