展覧会「香りの器 ~高砂コレクション~」が、京都の美術館「えき」KYOTOにて、2021年6月12日(土)から7月4日(日)まで開催される。その後、2021年7月17日(土)から9月5日(日)まで、秋田市立千秋美術館に巡回する。
古代オリエントの香油壺にはじまり、近代ヨーロッパの生活を彩った陶磁器やガラスの香水瓶、そして香道の道具類にみられる日本の漆工芸品──香りとその器の歴史は、人類の誕生とともに始まったともいわれ、世界各地で多彩な文化が育まれてきた。
展覧会「香りの器 高砂コレクション 展」では、香りに関わる良質な作品を収集してきた高砂コレクションから、香油瓶や香水瓶など、古今東西の工芸作品約200点を展示。奥深い香りの歴史と文化を紹介する。
香りの歴史は、紀元前3000年ごろの古代メソポタミアやエジプトにまで遡り、古来より宗教的な儀式の場で香油などが使われたのみならず、王や貴族が生活のなかでも使用していたとされる。以後、技術革新や社会構造の変化、各時代の芸術様式などにあわせて、香りのみならずそれを収める容器のデザインも多様に発展してきたのだ。
本展では、世界各地で育まれた香りの文化にまつわる品々を一挙公開。紀元前6世紀ギリシアの香油瓶や古代オリエントのガラス製容器、マイセンやセーブルといった陶磁器製香水瓶、アール・ヌーヴォーおよびアール・デコ様式を反映したエミール・ガレやルネ・ラリックによる香水瓶など、素材・色・デザインの多様性に富んだ作品の数々を紹介する。
一方で日本の香りの歴史は、仏教が伝来した6世紀以降に始まるとされる。元は儀式の場で使用されていたものの、上流階級を中心に日々の生活に取り入れられ、「薫物合せ」と呼ばれる優雅な遊びに発展した平安時代を経て、室町時代には「香道」という芸術に高められた。そして江戸時代には、漆工芸を中心に香道具が盛んに制作され、香りの文化もピークを迎えたのだ。
会場では、香席で用いられる伝統的な香道具などを展示。鮮やかな有線七宝で装飾した「七宝花鳥文香炉」や、香りを聞いて香木の種類を当てる「十種香」の道具を収めた「浜松塩屋蒔絵十種香箱」など、明治期に入って作家個人が“美術作品”として手掛けるようになった香道具の数々も紹介する。
展覧会「香りの器 ~高砂コレクション~」
会期:2021年6月12日(土)~7月4日(日)
会場:美術館「えき」KYOTO
住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接
開館時間:10:00~19:00(入館締切:閉館30分前)
入場料:一般 1,000円(800円)、高・大学生 800円(600円)、小・中学生 500円(300円)
※( )内は前売料金。「障害者手帳」を提示した本人と同伴者1名は、当日料金より各200円割引。
前売販売期間:~6月11日(金)
※チケットぴあ(Pコード685-521)、ローソンチケット(Lコード51558)にて販売。
※展示作品やイベント内容は、状況により変更する場合あり。
■巡回展
・秋田展
会期:2021年7月17日(土)~9月5日(日) ※会期中無休
開館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30)
場所:秋田市立千秋美術館
住所:秋田市中通2-3-8
観覧料:一般 1,000円、大学生 800円、高校生以下無料
※前売、20名以上の団体および障がい者割引、秋田県立美術館との相互割引料金は、一般800円、大学生640円
※くるりん周遊パスで観覧の場合、一般700円 大学生600円
前売券販売期間:~2021年7月16日(金)
前売券販売場所:秋田市立千秋美術館、さきがけニュースカフェ、caoca広場(トピコ)、県庁地下売店、カフェ光風(秋田県立美術館2階)、ローソンチケット(Lコード:22412)、セブン-イレブン