昨年20周年を迎えたフランス映画祭。「フランス映画祭2013」が、2013年6月21日(金)から6月24日(月)までの4日間、有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇(東京会場)で開催される。今年の団長は、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールなどの巨匠たちに愛された女優、ナタリー・バイに決定。自身の出演作『わたしはロランス』(監督:グザヴィエ・ドラン、配給:アップリンク)を引き下げ、来日した。
中央のグリーンのドレスがナタリー・バイ
団長のナタリー・バイをはじめ、フランソワ・オゾン、ジャック & ルー・ドワイヨン、リュディヴィーヌ・サニエ他、豪華ゲストを迎え、オープニングセレモニーが開催された。『アナタの子供』のルー・ドワイヨン、ジャック・ドワイヨン監督、『Populaire (邦題『タイピスト!』)』のデボラ・フランソワなどが登壇し、集まった沢山のフランス映画愛好家たちから大きな歓迎を受けた。
今回のオープニング作品は、フランソワ・オゾン監督の「In the House」(英題)。第37回トロント国際映画祭で、国際映画批評家連盟賞を受賞したフランソワ・オゾンの、スリリングな最新作だ。
また、フランス映画祭では初となる、クラシック作品も上映。上映作品は、「シェルブールの雨傘」でカンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝いた、ジャック・ドゥミ監督のデビュー作「ローラ」(アヌーク・エーメ主演)のデジタル修復完全版。
「ローラ」は、オリジナルのネガが1970年頃火災にて焼失。その後英国で見つかったインターネガをもとに、2000年、ニュープリントを作成・リバイバル上映したが、いくつかのシーンは淡すぎたり、ニュアンスを欠くものであった。そこで、仏米の団体が協力し、2012年にデジタル修復完全版が完成。新しくデジタル素材に生まれ変わり、今回のフランス映画祭2013にて、日本初披露となる。
大掛かりな修復を経て上映される、貴重な一本。甘く切ない恋の物語を、軽やかにみずみずしく描き出すドゥミの演出は、どこか晴れ晴れとしない梅雨時の気分を吹き飛ばしてくれそうだ。
【イベント詳細】
フランス映画祭2013
日程:2013年6月21日(金)〜24日(月)
場所:有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇(東京会場)
団長:ナタリー・バイ
公式サイト:http://unifrance.jp/festival/
Twitter:@UnifranceTokyo
Facebook:http://www.facebook.com/unifrance.tokyo/
来日ゲスト:
ジャン=フランソワ・シヴァディエ 、フランソワ・オゾン、エルンスト・ウンハウワー、ステファヌ・ブリゼ、エレーヌ・ヴァンサン、レジス・ロワンサル、デボラ・フランソワ、 ギヨーム・ブラック、カトリーヌ・コルシニ、ラファエル・ペルソナーズ、バレリア・サルミエント、 ジャン=クリストフ・デッサン、フィリップ・ベジア、ジャック・ドワイヨン、ルー・ドワイヨン、 リュディヴィーヌ・サニエ 、マチュー・イポー(順不同)
【オープニング作品】
「In the House」(英題)
高校の国語教師ジェルマンは、生徒クロードの書く才気あふれる文章に心をつかまれる。 あるクラスメイトとその家族を皮肉な視点で綴ったものだったが、文筆家としての才能を 感じ取ったジェルマンは、クロードに小説の書 き方を 手ほどきしていく。やがて才能を開花させたクロードは、書く内容を次第にエスカレートさせていくが・・・。
監督:フランソワ・オゾン
出演:ファブリス・ルキーニ、クリスティン・スコット・トーマス、エマニュエル・セニエ、ドゥニ・メノーシェ、エルンスト・ウン ハウワー
2012年/フランス/105分/ビスタ/5.1ch/配給:キノフィルムズ
コピーライト
©2012 Mandarin Cinéma - Mars Films - France 2 Cinéma – Foz
2013年秋、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ他全国順次公開
【上映作品】
■「In the House 」(英題)
監督:フランソワ・オゾン 出演:ファブリス・ルキーニ
■「わたしはロランス」
監督:グザヴィエ・ドラン 出演:メルヴィル・プポー
■「タイピスト!」
監督:レジス・ロワンサル 出演:デボラ・フランソワ
■「ウェリントン将軍〜ナポレオンを倒した男〜」
監督:バレリア・サルミエント 出演:ジョン・マルコヴィッチ
■「母の身終い」
監督:ステファヌ・ブリゼ 出演ヴァンサン・ランドン
■「黒いスーツを着た男」
監督:カトリーヌ・コルシニ 出演:ラファエル・ペルソナーズ
■「椿姫ができるまで」
監督:フィリップ・ベジア 出演:ナタリー・デセイ
■「遭難者」/「女っ気なし」
監督:ギヨーム・ブラック 出演:ヴァンサン・マケーニュ
■「アナタの子供」
監督:ジャック・ドワイヨン 出演:ルー・ドワイヨン
■「恋のときめき乱気流」
監督:アレクサンドル・カスタネッティ 出演:リュディヴィーヌ・サニエ、ニコラ・ブドス
■「テレーズ・デスケルウ」
監督:クロード・ミレール 出演:オドレイ・トトゥ
■「森に生きる少年〜カラスの日〜」
監督:ジャン=クリストフ・デッサン 声の出演:ジャン・レノ
■「ローラ」
監督:ジャック・ドゥミ 出演:アヌーク・エーメ
【作品短編集】
「全てを失う前に」、「妻の手紙」、「からっぽの家」、「日本への度:捕縄術」、「オマール海老の叫び」、「移民収容」、「次で最後(63年秋)」、「春」
【クラシック作品上映について】
「ローラ」*デジタル修復完全版
港町ナントでの生活に退屈していた青年ロランは、幼なじみのローラに10年ぶりに 再会する。ロランは彼女への愛に気づいて生きる希望を抱くものの、ローラは7年前に 街を去った恋人ミシェルを忘れられない。クラシックやミシェル・ルグランの音楽に のせておくる、ドゥミの長編処女作。
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
出演:アヌーク・エーメ、マルク・ミシェル、ジャック・アルダン、アラン・スコット、エリナ・ラブールデット
1961年/フランス/85分/DCP/白黒/モノラル/1:2.35/
コピーライト
© 2012 CinéTamaris-Fondation Groupama Gan–Fondation Technicolor
*この映画はグルーパマ・ガン映画財団と映画文化遺産のためのテクニカラー財団により修復されたもの。