企画展「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」が、神奈川・箱根のポーラ美術館にて、2022年3月30日(水)まで開催される。
ロニ・ホーンは、アメリカの現代美術を代表するアーティストだ。写真や彫刻、ドローイング、本といった多岐にわたる表現媒体の作品を手がけているが、その多くは自然と密接に結びつきつつ、シンプルで削ぎ落とされた形式で展開されている。
あるひとつの概念がさまざまな作品へと形を変えて展開されるホーンの制作は、環境や周囲との連関に応じて姿を変える“水”の性質を彷彿とさせる。実際、テムズ川の水面やアイスランドの温泉、水鏡を思わせるガラスなど、“水”とはホーンがしばしば自身の作品のモチーフやテーマとするものである。
企画展「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」は、国内の美術館におけるホーンの初個展だ。また、ポーラ美術館の開館以来、大型企画展としては初めて、同時代の作家を単独で紹介する機会となる。
会場では、1980年代から今日に至る、約40年間のホーンの活動を紹介。近年の代表作である「ガラス彫刻」を筆頭に、アイスランドの温泉で女性の表情の微妙な変化を6週間にわたって記録した写真シリーズ《あなたは天気 パート2》や、ホーン自身の思考や記憶と強く結びついたドローイング作品などを展示し、「連続と差異」という彼女の一貫した問題意識に迫る。
初期から一貫して「自然」をモチーフに作品を手がけてきたロニ・ホーン。とりわけ、彼女が偏愛するアイスランドの、火山と氷河が生み出した荒々しい風土からは、強い着想を得ている。そうした風土は、火山列島である日本、そして古来の温泉地である箱根と共通する部分を有しているといえる。本展では、美術館屋外の森の遊歩道にも展示空間を展開し、近年の代表作であるガラス彫刻作品《鳥葬(箱根、日本)》を展示。なお、同作はポーラ美術館のコレクションに加わり、森の遊歩道の常設作品となる。
企画展「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」
会期:2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水) 会期中無休
会場:ポーラ美術館 展示室1・2、遊歩道
住所:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭1285
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
※悪天候などによる臨時休館あり
入館料:大人 1,800円、シニア割引(65歳以上) 1,600円、大学・高校生 1,300円、中学生以下 無料
※15名以上の団体割引あり
※シニア割引は、ほかの割引との併用不可
【問い合わせ先】
ポーラ美術館
TEL:0460-84-2111