展覧会「没後80年 竹内栖鳳 ─躍動する生命─」が、静岡・熱海のMOA美術館にて、2021年6月11日(金)から7月27日(火)まで開催される。
明治以降の日本の美術は、伝統の継承と、西洋芸術の思想や表現の導入のあいだで揺れ動いていた。そうしたなか、明治から昭和にかけて、京都画壇の中心で活躍したのが竹内栖鳳だ。栖鳳は、京都で一大勢力を誇った四条派の伝統を引き継ぎつつも、狩野派や文人画、西洋の写実表現など、多様な画法を学んで独自の表現を生みだし、近代京都画壇で革新的な役割を担った。
栖鳳がとりわけ得意としたのが動物画だ。動物の毛並みやさりげない仕草まで捉え、「けものを描けば、その匂いまで表現できる」と評されるほどに生き生きと表現した。展覧会「没後80年 竹内栖鳳 ─躍動する生命─」では、動物画を中心に、栖鳳の作品を紹介する。
栖鳳の動物画の特徴は、その躍動感にある。その描写は、単に動物の表面的な動静を観るばかりでなく、刻一刻と変化する動物の姿を観察し、その特徴をはっきりとつかもうとすることに基づいていたという。本展では、《熊》や《夏鹿》、《雄風》など、生命感あふれる動物画を目にすることができる。
栖鳳が写生に励んだ背景には、写生に重きを置く師・幸野楳嶺(こうのばいれい)の教えが挙げられよう。また、うさぎや猿、家鴨などを自宅で飼い、それらの写生も行なった。《若き家鴨》や《宇佐幾》、《喜雀》などからは、動物へと注がれる栖鳳のまなざしも感じられそうだ。
他方で栖鳳は、西洋や中国の風景や風俗、芸術にも関心を抱き、自らの画風に取り入れた。会場では、《蕭条》や《南清風色》、《潮沙去来》など、詩情あふれる自然を描いた作品も展示する。
展覧会「没後80年 竹内栖鳳 ─躍動する生命─」
会期:2021年6月11日(金)〜7月27日(火)
会場:MOA美術館 展示室1〜3
住所:静岡県熱海市桃山町26-2
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:木曜日(7月1日(木)は開館)
観覧料:一般 1,600円(1,300円)、高大生(要学生証) 1,000円(700円)、中学生以下 無料、65歳以上(要身分証明) 1,400円
※( )内は10名以上の団体料金
※障がい者手帳の所持者と付添者(1名のみ)は半額
※前売券は、コンビニエンスストア(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)でも購入可
【問い合わせ先】
MOA美術館
TEL:0557-84-2511