埼玉県立近代美術館では、展覧会「アーティスト・プロジェクト#2.08 松平莉奈 コードとモード」を、2025年2月1日(土)から5月11日(日)まで開催する。
1989年兵庫に生まれ、関西を中心に活躍してきた画家、松平莉奈(まつだいら りな)。松平は、人と人は完全には理解しあえないことを前提に、「他者について想像すること」をテーマに具象画を手がけている。とりわけ、歴史の語りからこぼれ落ちてきた無名の人物や、評価の対象とされてこなかった史実についてリサーチを行い、自身の解釈を交えつつ絵画に表現してきた。
展覧会「アーティスト・プロジェクト#2.08 松平莉奈 コードとモード」では、過去から現代にいたる「画家」という存在に着目し、「創作行為」をテーマに展示を展開。埼玉ゆかりの南画家・奥原晴湖(おくはら せいこ)への関心のもと、作品を発表する。
幕末から明治時代にかけて活動した晴湖は、30代で中国の文人・鄭板橋(ていはんきょう)に私淑。その後も過去の書画家の作品を研究し、晩年に独自の境地に到達している。晴湖はこうしたなか、時流を読みつつ学ぶべき対象を定め、それを自己の画風の展開に活かしていったのだ。
本展で松平は、晴湖の画業に倣いつつ、過去から学んで得られる「コード」と、その学びをもとに自己のスタイルを確立する「モード」に着目。中国・漢時代の画家である毛延寿を描いた《王昭君説話より 画室の毛延寿》、さまざまな流派を取り混ぜたために「鵺(ぬえ)派」と揶揄された竹内栖鳳の画風に着想した《鵺の解体》などを展示するほか、晴湖のリサーチを経た新作も発表予定だ。
展覧会「アーティスト・プロジェクト#2.08 松平莉奈 コードとモード」
会期:2025年2月1日(土)〜5月11日(日)
会場:埼玉県立近代美術館 2階展示室D
住所:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
開館時間:10:00~17:30
休館日:月曜日(2月24日(月・振)、5月5日(月・祝)は開館
観覧料:無料
【問い合わせ先】
埼玉県立近代美術館
TEL:048-824-0111