展覧会「THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」が、すみだ北斎美術館にて2021年7月20日(火)から9月26日(日)まで開催される。
「THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」は、葛飾北斎の圧倒的な筆力と発想力を堪能できる展覧会。すみだ北斎美術館が所蔵する二大名品「冨嶽三十六景」シリーズと、すみだ北斎美術館開館記念展で“約100年ぶりの再発見”として話題となった絵巻「隅田川両岸景色図巻」を中心に、人気の高い北斎作品約100点を一挙に紹介する。
会場には、葛飾北斎を代表する三大錦絵シリーズ「冨嶽三十六景」全46図、「諸国瀧廻り」全8図、「諸国名橋奇覧」全11図を前期・後期にわけて全て展示する。各シリーズの全貌を楽しめるとともに、1つの主題を多様に描き分けた葛飾北斎の表現力の幅広さを目の当たりにできる。
各地から見える富士山の風景を描く「冨嶽三十六景」は、最高傑作としても名高い作品。中でも人気の高い図柄は、摺りの状態が異なるものや変わり図も制作されている。今回は、初めて「冨嶽三十六景 山下白雨」のバージョン違いを並べて展示。初摺に近い作品や、山裾に松林が加えられた変わり図などを比較しながら鑑賞することができる。
加えて、日本各地の滝を描いた「諸国瀧廻り」や「諸国名橋奇覧」も登場。「諸国名橋奇覧」では、場所もわからない橋や北斎がいた当時には失われていた橋なども含まれており、想像上の吊り橋を、人物が絶妙なバランスで通行する様子などが描かれている。
また、錦絵「桜に鷹」をはじめとする浮世絵版画の版木4種を使用した火鉢を初公開。版画の輪郭線を彫った版木は材質が良く、絵柄の美しいデザイン性から火鉢に再利用されたと考えられている。北斎の一枚摺りの錦絵の版木自体が珍しく、貴重な資料を間近に見られるチャンスとなっている。
さらに、“幻の絵巻”として話題を呼んだ、全長約7メートルに及ぶ北斎肉筆の巻物「隅田川両岸景色図巻」も5年ぶりに展示。両国橋付近から新吉原へ向かう隅田川両岸の風景と、新吉原における遊興の様子を描いた北斎の肉筆画に、画中の名所を読み込んだ注文主・烏亭焉馬による横幅76.1cmの狂文があしらわれている。「隅田川両岸景色図巻」は前期・後期で巻替えを行い、通期で展示。江戸時代から観光スポットとして知られる隅田川周辺の景色を、現在の風景と比べながら鑑賞するのも楽しそうだ。
尚、すみだ北斎美術館とグラニフ(graniph)のコラボレーションTシャツが2021年6月25日(金)より全国グラニフ店舗にて発売。展覧会にも登場する「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」「冨嶽三十六景 凱風快晴」「諸国瀧廻り 木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」といった作品をモチーフにしたTシャツが揃う。すみだ北斎美術館では販売されないものの、近隣のグラニフ店舗では発売されるので合わせてチェックしてみて。
【詳細】
THE 北斎―冨嶽三十六景と幻の絵巻―
会期:2021年7月20日(火)~9月26日(日) ※前後期で一部展示替えあり
・前期 7月20日(火)~8月22日(日)
・後期 8月24日(火)~9月26日(日)
場所:すみだ北斎美術館
住所:東京都墨田区亀沢2-7-2
問い合わせ先TEL:03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)
休館日:毎週月曜日
※8月9日(月・振替休日)、9月20日(月・祝)は開館。
※8月10日(火)、9月21日(火)は休館。
開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
観覧料:一般 1,200円、高校生・大学生 900円、65歳以上 900円、中学生 400円、障がい者 400円、小学生以下 無料
※団体での来館は、当面の間、受付なし。
※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可能。
※会期・開館時間・観覧料・イベント・講演会の開催など変更、中止の可能性あり。最新情報は、美術館公式ホームページにて確認。
■グラニフ コラボレーションTシャツ
発売日:2021年6月25日(金)
展開店舗:全国グラニフ店舗、オンラインストア
※すみだ北斎美術館ミュージアムショップでは取扱なし。
※美術館近隣に位置する3店舗(グラニフ アトレ秋葉原、アトレ上野、アルカキット錦糸町)では、発売から約2か月間、レジにて購入した人に「THE 北斎」展のチラシと同展割引券を配付。店舗準備数がなくなり次第終了。※他割引との併用不可。