「展覧会 岡本太郎」が、大阪中之島美術館にて、2022年7月23日(土)から10月2日(日)まで開催される。その後、東京都美術館、愛知県美術館に巡回する。
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会(大阪万博)の《太陽の塔》でよく知られる芸術家、岡本太郎。渡仏後、対立する要素による軋轢のエネルギーを提示する「対極主義」を掲げて前衛芸術を推し進め、日本の文化にも関心を抱いた岡本はまた、「芸術は大衆そのものである」という信念のもと、公共空間に展開される巨大な彫刻や壁画も手がけた。
「展覧会 岡本太郎」は、岡本太郎の足跡をたどる大回顧展。岡本作品のほぼすべてを所蔵する川崎市岡本太郎美術館と岡本太郎記念館の全面協力のもと、代表作や重要作が一堂に会するほか、国内美術館からの出品作品も加え、初期から晩年に至る芸術の全貌を紹介する。
1911年に川崎で生まれ、1929年に家族とともにヨーロッパに渡った岡本は、単身でパリに残り、芸術家を志すことに。パブロ・ピカソをはじめとする当時最先端の芸術や思想にふれつつ、自己の表現を模索していった。戦後に帰国し、旧態依然とした日本の美術界に接すると、抽象と具象、愛憎、美醜といった対立要素の軋轢から生じるエネルギーを提示する「対極主義」を掲げて、前衛芸術運動を推し進めることになる。
本展では、パリ時代の《空間》や《傷ましき腕》、前衛芸術の騎手として活躍した1940年代から50年代にかけての代表作《森の掟》や《重工場》、そして《遊魂》のように「眼」をモチーフとした晩年の作品まで、岡本の代表作や重要作を網羅的に展示。また、大阪万博の《太陽の塔》や、これと並行して制作された巨大壁画《明日の神話》にまつわる資料を通して、これら2作の現代的な意味にも光をあてる。
岡本は、前衛芸術運動をリードする一方、自身の出自としての日本の文化にも関心を抱いていた。会場では、岡本に大きな刺激を与え、その作風を大きく転換する契機ともなった1951年の縄文土器との出会いや、日本各地ばかりでなく韓国やメキシコにも及ぶ広大なフィールドワークに着目。加えて、呪術性を秘めたような抽象的なモチーフを描いた絵画作品《愛撫》をはじめ、のちの《太陽の塔》につながる1960年代の呪術的な世界観を垣間見られる作品も紹介する。
芸術とは生活そのものだと考えていた岡本にとって、衣食住を含む生活のあらゆるものが表現の舞台であった。モザイクタイルを用いて1952年に制作された《太陽の神話》をきっかけとして、岡本は旧都庁舎の壁画や屋外彫刻などのパブリックアートから、時計や植木鉢といった生活用品まで、大衆に直接語りかけるものへと表現の領域を広げていった。本展では、旧都庁舎の壁面を飾った《日の壁》の原画や、彫刻と照明器具が一体となった《光る彫刻》などを展示する。
「展覧会 岡本太郎」
会期:2022年7月23日(土)~10月2日(日)
会場:大阪中之島美術館 4F展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日(9月19日(月・祝)のぞく)
観覧料:一般 1,800円(1,600円)、大学・高校生 1,400円(1,200円)、中学生以下 無料
※日時指定制(30分ごと)を導入、事前購入(日時指定券)推奨
※会場でも当日券を購入できるが、混雑状況により入場待ちとなる場合や、当日券の販売が終了している場合あり。
※( )内は20名以上の団体料金(団体鑑賞を希望する場合、美術館公式ホームページより団体受付フォームにて問い合わせのこと)
※日時指定券は6月21日(火)から観覧日前日まで販売
※障がい者手帳などの所持者(介護者1名含む)は当日料金の半額(要証明)
※一般以外の料金で観覧する場合は証明できるものを当日に提示
※入場を制限する場合あり
※会期や開館時間などは変更となる場合あり(来館時には展覧会公式サイトなどにて最新情報を確認のこと)
■巡回情報
・東京展
会期:2022年10月18日(火)~12月28日(水)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
・愛知展
会期:2023年1月14日(土)~3月14日(火)
会場:愛知県美術館
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
【問い合わせ先】
TEL:06-4301-7285 (大阪市総合コールセンター)