企画展「東北へのまなざし 1930-1945」が、岩手県立美術館にて、2022年5月15日(日)まで開催される。その後、福島県立美術館、東京ステーションギャラリーに巡回する。
1930年代から1945年にかけての日本では、満州事変に始まる戦争の火種が太平洋戦争へと拡大する一方、昭和モダンと呼ばれる都市文化が花開き、視覚文化や生活様式が急激な変貌を遂げていった。
そうしたなかで、東北地方は後進的な周縁と捉えられていたものの、しかしこの地の建築や生活用品に着目する人びともいた。たとえば建築家のブルーノ・タウトや、民藝運動を先導した柳宗悦、1940年に商工省に招聘された建築家であるシャルロット・ペリアンらは、東北を訪れ、その生活の文化に光をあてた。
また、東北出身者にも、故郷の暮らしを見つめなおす人びとが現れた。東北地方の郷土玩具を蒐集、紹介した武井武雄や米浪庄弌、現代の社会風俗を観察し分析する「考現学」の創始者として知られる今和次郎、『青森県画譜』を描いた弟の銅版画家・今純三、東北生活美術研究会展を主導した洋画家である吉井忠らが、戦中期の東北の生活にまつわる記録を残したのだ。
企画展「東北へのまなざし 1930-1945」では、このように東北地方の暮らしに着目した人びとの複層的な「眼」を通して、東北において豊かに育まれ、今なお息づく文化の力を紹介する。
企画展「東北へのまなざし 1930-1945」
会期:2022年4月9日(土)〜5月15日(日)
会場:岩手県立美術館
住所:岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
開館時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(5月2日は開館)
観覧料: 一般 1,000円、高校生・学生 600円、小・中学生 400円
※当日券購入時には割引あり(詳細は美術館ホームページを参照)
※学生は学生証または生徒手帳を提示のこと
※企画展観覧券でコレクション展も観覧可(4月26日(火)〜4月28日(木)は、展示替えのためコレクション展の観覧不可)
※本展および関連イベントは変更または中止となる場合あり(最新情報については美術館ウェブサイトやSNSにて確認のこと)
■巡回情報
・福島県立美術館
会期:2022年6月4日(土)〜7月10日(日)
住所:福島市森合字西養山1
・東京ステーションギャラリー
会期:2022年7月23日(土)〜9月25日(日)
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
【問い合わせ先】
岩手県立美術館
TEL:019-658-1711