2014年1月30日(木)から5月6日(火)まで、英国の「唯美主義」にフィーチャーした美術展「ザ・ビューティフル──英国の唯美主義1860-1900」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催される。
「唯美主義」とは、美の享受・形成に最高の価値を置き、作品の価値はそれに込められた思想やメッセージではなく、形態と色彩の美にある、とする芸術思潮だ。
19世紀半ば、産業革命の成功がもたらした行き過ぎた商業主義や功利主義を批判し、美にみちた生活の重要性を唱える「唯美主義者 (the Aesthetes)」が登場。「新たな美」の実現を目指したロンドンの前衛芸術家たちの作品が大衆に浸透し、大きなムーヴメントへと発展した。
本展は、2011年4月から2012年6月までヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンドン)、オルセー美術館(パリ)、リージョン・オブ・オナー美術館(サンフランシスコ)で開催され、各国で高い評価を得た「カルト・オブ・ビューティー」展を、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の企画協力により再構成したもの。「唯美主義」の総合的な展覧会としては日本初となる。
左)ジョージ・フレデリック・ワッツ《孔雀の羽を 手にする習作》1862-65年頃、 油彩/カンヴァス、66×56 cm、個人蔵
©Pre-Raphaelite Inc. by courtesy of Julian Hartnoll
右)エドワード・ウィリアム・ゴドウィン 《飾り戸棚(フォーシーズンズ・キャビネット)》 1877年頃、179.7×128.3×41.3 cm、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
©Victoria and Albert Museum, London
絵画作品だけではなく、自宅の内装を彩る美術産業製品にまで拡がりをみせた英国の「唯美主義」。本展では、ロセッティやホイッスラーなどの前衛芸術家や、正統派の画家であるレイトンやワッツ、建築家ゴドウィンの作品など、「唯美主義」の礎が築かれた時代から「唯美主義」が最後に見せた隆盛の時まで、ムーヴメントを象徴する絵画や装飾美術約140点が年代順に紹介される。
19世紀末に向かうにつれ研ぎ澄まされ、独特の陰りを増して世紀末芸術へと到達した「唯美主義」。シンプルに美を追求した芸術家たちによる、”芸術のための芸術”が、一挙公開。
【展覧会概要】
ザ・ビューティフル──英国の唯美主義1860-1900
(Art for Art’s Sake:The Aesthetic Movement 1860-1900)
開催期間:2014年1月30日(木)〜2014年5月6日(火・祝)
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜日は、〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜休館 ※但し、5月5日(月)は閉館。4月28日(月)は18:00まで開館。
観覧料:
当日券 大人¥1600、高校・大学生¥1000、小・中学生¥500
前売券 大人¥1400(大学生以下は前売券の設定無し)
WEBサイト:http://mimt.jp/beautiful
主催:三菱一号館美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
後援:ブリティッシュ・カウンシル
協賛:大日本印刷
協力:ヤマトロジスティクス
【問い合わせ先】
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)