展覧会「東海道の美 駿河への旅」が、静岡市美術館にて、2023年2月11日(土・祝)から3月26日(日)まで開催される。
徳川家康が東海道に宿駅を設置し、街道を整備すると、東海道を主題とした絵画が数多く描かれるようになった。また、東海道によって、詩書画を好む駿河の文化人と、上方や江戸の絵師の交友も可能となった。展覧会「東海道の美 駿河への旅」では、描かれた東海道と街道をめぐる絵師たちの往来に着目し、駿河の美術や文化に光をあてる。
1601年、江戸幕府開府に先立って徳川家康が五街道の整備に着手した。江戸と京都を結ぶ東海道には53の宿駅が設置され、参勤交代の大名行列や外国使節、旅人の往来などで賑わうようになるとともに、東海道を主題に絵画が数多く生み出されるようになった。その例が東海道図屏風だ。また、江戸後期には、それまで美人画や役者絵を中心としていた浮世絵において、葛飾北斎が風景木版画を確立。続く歌川広重は、各宿場の風景を抒情性豊かに描きだした。
会場では、《東海道図屏風(マッケンジー本)》や《駿府城下行列図屏風》、狩野宗信《東海道五十三次図屏風》など、東海道や宿場を描いた屏風を展示。また、北斎の「東海道五十三次」や広重の「東海道五十三次」も目にすることができる。
東海道はまた、駿河文人たちと、京や江戸の絵師たちの交友も可能にした。池大雅や与謝蕪村などの文人画、円山応挙をはじめとする円山派や四条派、司馬江漢の洋風画、そして伊藤若冲や曽我蕭白など、京都や江戸を中心に活躍した個性的な絵師たちは、駿河の文人からも人気を博することとなった。本展では、円山応挙の襖絵《山水図小襖》や曽我蕭白晩年の山水画《山水図》などを展示し、江戸時代を代表する絵師と駿河との関わりをひもといてゆく。
展覧会「東海道の美 駿河への旅」
会期:2023年2月11日(土・祝)〜3月26日(日)
[前期 2月11日(土・祝)〜3月5日(日) / 後期 3月7日(火)〜3月26日(日)]
会場:静岡市美術館
住所:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー 3階
開館時間:10:00〜19:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
観覧料(予定):一般 1,300円(1,100円)、高校生・大学生・70歳以上 900円(700円)、中学生以下 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※障害者手帳などの持参者および介助者原則1名は無料
※リピーター割引:2回目以降、美術館窓口にて本展の有料観覧券半券の提示により当日券200円引き
【問い合わせ先】
静岡市美術館
TEL:054-273-1515 (代表)