特別展「もしも猫展」が、広島県立美術館にて、2024年12月19日(木)から2025年2月9日(日)まで開催される。名古屋市博物館などでも開催された巡回展だ。
特別展「もしも猫展」は、江戸時代の浮世絵における擬人化表現、特に猫の表現に着目し、歌川国芳(うたがわ くによし)らの作品を紹介する展覧会だ。
動物などを人の姿で表現する擬人化表現は、平安時代にはすでに使われ、室町時代から江戸時代にかけて頻出するようになった。しかし、この頃の擬人化表現には、猫が登場する作例は多くはない。こうしたなか、江戸時代後期の絵師・歌川国芳は、猫を擬人化した浮世絵で人気を博するとともに、人間を猫に見立てて描くなど、擬人化表現に新機軸を持ちこんでいる。
擬人化表現は一種のパロディであり、しばしば人々が共有するイメージ、つまり当時の人々に浸透した伝承や話題をもとに制作される。この時、擬人化表現の面白みは、既存のイメージからの逸脱から生まれることになる。とりわけ浮世絵では、大衆が主な購買者であったため、こうした傾向が顕著に見られることになるのだ。
本展では、国芳を筆頭に131点の作品を通して、擬人化表現を紹介。猫の一生を擬人化し、国芳が絵を手がけた長編小説『朧月猫の草紙』や、猫を人間らしい仕草で描いたり、実在する歌舞伎役者を猫として描いたりして人気を博した団扇絵「猫の百面相」などを展示し、猫の擬人化表現と国芳がそこに与えた影響に光をあててゆく。
特別展「もしも猫展」
会期:2024年12月19日(木)〜2025年2月9日(日)
会場:広島県立美術館
住所:広島県広島市中区上幟町2-22
開館時間:9:00〜17:00
※金曜日は19:00閉館、12月19日(木)は10:00開場
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:12月25日(水)〜1月1日(水・祝)
観覧料:一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 1,000円(800円)、小・中学生 700円(500円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳の提示者および介助者(1名まで)の当日料金は半額
※前売券は、広島県立美術館、セブンチケット(セブンコード 107−815)、ローソンチケット(Lコード 63037)、チケットぴあ(Pコード 687-086)などにて販売
【問い合わせ先】
広島県立美術館
TEL:082-221-6246