展覧会「渉るあいだに佇む─美術館があるということ」が、神奈川の茅ヶ崎市美術館にて、2023年4月8日(土)から6月11日(日)まで開催される。

美術館という場に思いをめぐらせる

2023年に開館25周年を迎える茅ヶ崎市美術館は、これまで茅ヶ崎にゆかりのある作家の作品を軸に収蔵してきた。また、近年では、同時代のアーティストと展覧会を開催し、地域に関連した作品も紹介している。展覧会「渉るあいだに佇む─美術館があるということ」では、美術史に残る茅ヶ崎ゆかりの作品とともに、同館のために制作された作品を展示する。

これら、制作された時代や表現媒体も異なる作品には、制作当時のアーティストの関心や思考を見てとることができる。そればかりでなく、作品の見え方は、鑑賞者の状況や、人びとを取り巻く社会情勢に応じて変化する。ささやかなところで言えば、見る人の心の状態や、その時々の天候の変化によっても、刻一刻と移ろってゆく。そのように物事が絶えず揺れ動くなか、佇むことができる空間が美術館ではなかろうか──本展の根底にあるのは、こうした発想だ。

本展では、萬鉄五郎や速水御舟、やんツー、藤原大など14人の作家が出品し、近代絵画から、メディアアート、写真、アニメーション、言葉の展示、そして美術館の空間を活用した大型インスタレーションまで、多様な作品を紹介。

子どもと大人とマシンが展示室の巨大な壁面と対峙してできあがった作品、 茅ヶ崎に落ちていたゴミを用いて制作した作品 、 茅ヶ崎を象徴する烏帽子岩をモチーフとした作品、 天候や時間によって変化し続ける作品、 そして美術館を訪れる人びとや周辺に暮らす人の声を集めた展示などを通して、地域に美術館という場が存在することの意味を考えてゆく。

展覧会概要

展覧会「渉るあいだに佇む─美術館があるということ」
会期：2023年4月8日(土)〜6月11日(日)
会場：茅ヶ崎市美術館
住所：神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
開館時間：10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日
観覧料：一般 700円(600円)、大学生 500円(400円)、市内在住65歳以上 350円(250円)
※高校生以下、 障がい者および介護者は無料
※( )内は20名以上の団体料金
※会期は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページにて確認のこと)

■出品作家
やんツー、菅野創、藤原大、若見ありさ、小川敦生、鵜飼美紀、森若奈、高尾俊介、萬鉄五郎、速水御舟、小山敬三、八木重吉、三橋兄弟治、井上有一

【問い合わせ先】
茅ヶ崎市美術館
TEL：0467-88-1177