展覧会「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ─ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」が、福岡の久留米市美術館にて、2023年6月17日(土)から8月17日(木)まで開催される。東京の府中市美術館などでも開催された巡回展だ。

アーツ・アンド・クラフツの展開をたどる

生活と芸術が一体となっていた中世を理想として、暮らしに美しいデザインを取り入れることを目指した運動、アーツ・アンド・クラフツ。その主導者ウィリアム・モリスは、画一化された工業製品が浸透していた19世紀後半のイギリスにあって、手仕事による日用品を通して人びとの暮らしを彩ろうと試みたのだった。

モリスに共鳴したデザイナーや建築家によって発展したアーツ・アンド・クラフツ運動は、イギリスにとどまらず、ヨーロッパ各国、そしてアメリカにも広がることとなった。展覧会「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ─ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」では、モリスの代表作をはじめとするテキスタイルや壁紙、家具、アクセサリーなど約170点の作品を通して、アーツ・アンド・クラフツ運動の展開を紹介する。

ウィリアム・モリスの代表作を展示

本展では、モリスの幅広い仕事のなかから、その代表作約20点を展示。モリスのデザインの原点といえる壁紙から、《いちご泥棒》や《メドウェイ》など、インディゴ染めのファブリック、理想の書物を求めて晩年に手がけたケルムスコット・プレスなどを紹介する。

アーツ・アンド・クラフツと産業デザイン

モリスの思想に共鳴した次世代のイギリスの作家によって発展したアーツ・アンド・クラフツ運動は、次第に産業デザインとして展開してゆくようになる。たとえば、リバティ・プリントで知られるリバティ(Liberty)商会など、各メーカーがマシンメイドも取り入れることで、より多くの人びとの生活を彩ることを目指したのだった。会場では、食器やアクセサリーなどを展示し、イギリスにおけるアーツ・アンド・クラフツ運動の展開をたどる。

アメリカにおけるアーツ・アンド・クラフツ

世界各地に広がったアーツ・アンド・クラフツ運動は、その地の文化や風土、社会情勢に応じてさまざまに展開していった。本展では、なかでもアメリカでの展開に光をあて、ティファニー(Tiffany & Co.)が手がけたプロダクトやグスタフ・スティックリーの家具などを展示する。

展覧会概要

展覧会「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ─ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」
会期：2023年6月17日(土)〜8月17日(木)
会場：久留米市美術館
住所：福岡県久留米市野中町1015
開館時間：10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日：月曜日(7月17日(月・祝)は開館)
入館料：一般 1,000円(800円)、シニア(65歳以上) 700円(500円)、大学生 500円(300円)、高校生以下 無料
※( )内は15名以上の団体料金
※前売券700円あり
※障害者手帳などの持参者および介護者1名は無料
※石橋正二郎記念館も観覧可

【問い合わせ先】
久留米市美術館
TEL：0942-39-1131