企画展「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」が、島根県立石見美術館にて、2022年9月17日(土)から11月28日(月)まで開催される。
企画展「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」は、1910〜30年代における「モダン」の諸相に光をあて、絵画や彫刻のみならず、ファッション、デザイン、家具など、約400点の作品や資料を展示する展覧会だ。
西欧を中心とする各地では、1910〜30年代にかけて、さまざまな「モダン」の動きが現れた。その中心的な動向が、機能主義に基づく「モダニズム」である。一方、大衆消費社会が進展したこの時代は、新しくあることで絶えず人びとの欲望をかき立てる、儚き装飾の「モダニティ」の時代でもあった。そして、これら対立的に捉えられてきたふたつの「モダン」は、その内にさまざまな様態を含み、これらが複雑に関わりあいながら濃密な時代を織りなしていったのであった。
1914年に勃発した第一次世界大戦に象徴されるように、この時代は、世界が一気に同期したことに特徴付けられる。当時の作家たちもまた、国を超えて時間差なく情報を共有し、ジャンルを超えた響きあいを奏でた。その領域は、絵画や彫刻から、衣服、家具、食器、そしてそれらを収める建物や都市まで、人びとの身体や生活空間全体に及んでいる。
たとえば、生活と芸術の一致を試みたウィーン工房は、フランスのファッションデザイナーであるポール・ポワレと触発しあい、また室内装飾や建築を手がけたロベール・マレ=ステヴァンといったフランスのモダニストにも影響を与えている。そして、ウィーン工房の生活全般への視線は、日本で新たな生活様式を模索した斎藤佳三や森谷延雄などが共有するところでもあった。
一方、時間と空間相互の変化を同時的に表現しようと試みた同時主義絵画で知られるソニア・ドローネーはファッションの仕事に専念し、建築や家具デザインを手がけたルネ・エルブストといったモダニストは、都市を彩るショーウィンドウデザインにも大いに関心を抱いた。さらに、ドイツのバウハウスでは織物が新たな注目を集め、同校を離れた作家たちは活動の場を変えて応用芸術教育にも取り組んでいる。
本展では、マルセル・ブロイヤーやヨーゼフ・ホフマン、ガブリエル・シャネル、ソニア・ドローネー、斎藤佳三など、多岐にわたる領域の作家による作品を一堂に集め、急速に変化する社会のなかで多声的に響きあいながら探求した、いくつもの「モダン」のかたちを探ってゆく。
企画展「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」
会期:2022年9月17日(土)~11月28日(月) 会期中一部展示替えあり
[前期 9月17日(土)~10月24日(月) / 後期 10月26日(水)~11月28日(月)]
会場:島根県立石見美術館 展示室C・D
住所:島根県益田市有明町5-15 島根県芸術文化センター「グラントワ」内
開館時間:9:30〜18:00(展示室への入場は17:30まで)
休館日:火曜日
■観覧料
・当日券
企画展=一般 1,200円(950円)、大学生 600円(450円)、小中高生 300円(250円)
企画展・コレクション展セット=一般 1,350円(1,050円)、大学生 700円(530円)、小中高生 300円(250円)
・前売券
一般 1,000円、大学生 500円、小中高生 200円
※( )内は20名以上の団体料金
※未就学児入場無料
※各種障がい者手帳、被爆者健康手帳の所持者およびその介助者(1名まで)は入場無料
※前売券は、ローソン各店(Lコード 63398)、グラントワ総合案内カウンターにて販売
※会期中のコレクション展は2022年11月3日(木・祝)から
※2022年9月17日(土)~23日(金・祝)の「敬老週間」のあいだは、65歳以上は観覧料無料(年内に65歳を迎える場合も含む / 年齢を確認できるものを持参のこと)
※画像の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
TEL:0856-31-1860 (グラントワ代表)