企画展「劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ」が、青森の十和田市現代美術館にて、2023年6月24日(土)から11月19日(日)まで開催される。
劉建華は、1962年に生まれ、現在は上海を拠点に活動しているアーティストだ。企画展「劉建華 中空を注ぐ」は、日本で初めて開催される劉の個展となる。
劉は中国のアーティストのなかで、磁器を現代美術の素材として用いた先駆的な存在である。それは、大学で彫刻を学ぶ前、景徳鎮の磁器工房で働いた自身の経験ばかりでなく、磁器が現代美術の素材として豊かな可能性を持ちうることに気づいたことにもよるという。劉は、日用品としての「磁器」の用途や形を解体し、中国における経済や社会の変化、そしてそれに伴う問題をテーマに作品を手がけてきた。
本展では、劉が初期より用いてきた「磁器」の作品を軸に紹介。展示の中核をなすのが、テレビや靴、ペットボトルなど、磁器で作られた日用品がうち棄てられた作品《遺棄》だ。劉や家族、友人が使っていたものから型を取り、制作された同作は、磁器という脆い素材を初めて用いた作品であり、日常生活の儚さを仄めかすものとなっている。
また、本展では、2022年に上海で発表された作品《塔器》を日本初公開。同作は、白い塔に取り付けた棚に、器を並べた作品だ。劉は、仏教文化では古来、「塔」が舎利を納めた精神の象徴であることや、内部が空洞であるという「器」の形に着目し、磁器を用いて同作を手がけたのだった。会場では、床一面を埋め尽くす《遺棄》のなかに、この《塔器》を展示する。
企画展「劉建華 中空を注ぐ」
会期:2023年6月24日(土)〜11月19日(日)
会場:十和田市現代美術館
住所:⻘森県十和田市⻄二番町10-9
開館時間:9:00〜17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)
観覧料:一般 1,800円(常設展含む)、高校生以下 無料
※休館日や臨時開館日などの最新情報については、美術館ウェブサイトにて確認のこと
【問い合わせ先】
十和田市現代美術館
TEL:0176-20-1127