展覧会「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」が、静岡市美術館にて、2023年9月5日(火)から10月22日(日)まで開催される。東京のSOMPO美術館でも開催された巡回展だ。
フランス北西部に位置するブルターニュは、壮大な自然景観と、ケルト民族に由来する独自の文化を持つ土地として知られている。郷土色に富む風景や風俗が色濃く残るブルターニュには、鉄道網が発達した19世紀以降、地方や異国への関心の高まりを背景に、多くの画家が新たな題材を求めて訪れることになった。
ブルターニュは、政府主催のサロンに出品されるアカデミスム絵画の主題となるばかりでなく、フランス近代美術史の新しい潮流を育む地でもあった。その代表的な例が、ポール・ゴーギャンをリーダーとするポン=タヴァン派だ。印象派の点描から離れ、黒い輪郭線で鮮烈な色味の色面を囲む技法「クロワゾニスム」を編みだしたポン=タヴァン派の画家は、この非再現的な様式によって心象的なイメージを描きだすことを試みたのだった。これはのちに、パリでのナビ派の結成へと繋がることになる。
展覧会「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」では、フランス随一の「ブルターニュ絵画」コレクションを擁するフランス・カンペール美術館の所蔵作品を中心に、ブルターニュにまつわる絵画作品を紹介。クロード・モネなどの印象派から、ポール・ゴーギャンやポール・セリュジエらポン=タヴァン派、モーリス・ドニといったナビ派、そして暗い色調を好んだ「バンド・ノワール(黒い一団)」などブルターニュゆかりの画家まで、約70点の作品を展示する。
展覧会「カンペール美術館所蔵 ブルターニュの光と風 フランス 神秘と伝統の地へ」
会期:2023年9月5日(火)〜10月22日(日)
会場:静岡市美術館
住所:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー 3F
開館時間:10:00〜19:00(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
観覧料:一般 1,400円(1,200円)、高校生・大学生・70歳以上 1,000円(800円)、中学生以下 無料、一般前売ペアチケット 2,200円
※( )内は前売および20名以上の団体料金(当日にかぎる)
※障がい者手帳などの持参者および付添者原則1名は無料
※前売券、一般前売ペアチケットは、7月22日(土)から9月4日(月)まで、静岡市美術館ほかにて販売
※美術館ホームページより日時指定予約が可能
【問い合わせ先】
静岡市美術館
TEL:054-273-1515(代表)