特別展「北宋書画精華」が、東京・南青山の根津美術館にて、2023年11月3日(金・祝)から12月3日(日)まで開催される。
宋時代は、中国の書画史におけるひとつの絶頂期であり、この時代の作品は、後世に古典と見なされていた。日本においては、南宋時代の作品は、中世以来の唐物への関心から愛好される一方、その前の北宋時代の文物も、同時代の平安時代後期より日本に伝わっている。そして、近代日本の実業家が、中国・清朝の崩壊にともなって流出した作品を蒐集したことを背景に、多くの重要作が日本に伝わることになった。
こうした作品のひとつが、北宋を代表する画家・李公麟(りこうりん)の真作《五馬図巻》(重要美術品)だ。2018年、約80年ぶりに日の目を見た同作は、それまでモノクロの印刷物のみで知られていた表現とは異なって、色彩豊かな作品であり、線のみで対象を描く「白描画」の名手として知られていた李公麟のイメージを刷新するものであった。
《五馬図巻》の再出現を契機に開催される特別展「北宋書画精華」は、北宋の書画芸術のエッセンスに迫る、日本初の展覧会。李公麟の《五馬図巻》を筆頭に、伝・董源(とうげん)の山水画の傑作《寒林重汀図》(重要文化財)、北宋の仏画の名品《孔雀明王像》(国宝)、北宋を代表する詩人・書家である黄庭堅(こうていけん)の代表作《伏波神祠詩巻》(重要文化財)など、日本に伝わる北宋時代の書画の優品を一堂に集めて展示する。
さらに、本展には、メトロポリタン美術館が所蔵する李公麟の白描画の基準作《孝経図巻》が特別出品。《五馬図巻》とともに、李公麟の2点を目にすることができる機会となる。
特別展「北宋書画精華」
会期:2023年11月3日(金・祝)〜12月3日(日)
会場:根津美術館 展示室1・2・5
住所:東京都港区南青山6-5-1
開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
入館料:一般 1,800円(1,600円)、学生 1,500円(1,300円)、中学生以下 無料
※オンラインによる日時指定予約制(日時指定入館券は、10月27日(金)より美術館ホームページにて販売開始。招待はがきなどを持っている場合も予約のこと)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
※オンライン日時指定予約の定員に空きがある場合のみ、当日券(一般 2,000円、学生 1,700 円)を美術館受付にて販売
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536(代表)