タル・べーラが監督を務めた映画『ヴェルクマイスター・ハーモニー』4Kレストア版が、2024年2月24日(土)から、シアター・イメージフォーラムほかにて全国で順次公開される。
ハンガリーのある田舎町に忽然と現れた、見世物の“クジラ”や“プリンス”と名乗る扇動者をきっかけに、人々が破壊とヴァイオレンスに包まれていく様子を描いた映画『ヴェルクマイスター・ハーモニー』。ハンガリーの鬼才、タル・ベーラの監督映画で、彼の日本初劇場公開作品だ。
映画『ヴェルクマイスター・ハーモニー』は、漆黒の闇のようなモノクロ映像で描かれ、2時間25分という上映時間に対して、カット数はたったの37カットのみ。観る者の想像力をかき立てる長回しのショットや独特なカメラワークで、思わず作品の世界に没入してしまうような魅力を放つ。タル・ベーラが手掛けた映画の中で、最もラディカルでパンクな作品となっている。
なお、タル・ベーラは、7時間を超える長編映画『サタンタンゴ』で国際的な評価を得たのち、2011年、哲学者ニーチェの逸話をモチーフにした映画『ニーチェの馬』でベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞。同作を最後に引退を表明した、伝説的な映画監督だ。
ハンガリーの荒涼とした田舎町。物語の主人公、ヤーノシュは、老いた音楽家エステルの身の回りの世話をして暮らしていた。そんなある日、町の広場に突然、見世物の“クジラ”と“プリンス”と名乗る扇動者がやって来る。住人たちは、“プリンス”の声に煽られるように広場へ群がる者もいれば、彼らの存在に不満を募らせる者も。やがて町の人々は、突如現れた“クジラ”と“プリンス”をめぐり、破壊とヴァイオレンスへと向かい始める。ヤーノシュが見たものは何か...?
映画『ヴェルクマイスター・ハーモニー』4K レストア版
上映開始日:2024年2月24日(土)~全国順次公開
■作品詳細
監督・脚本:タル・ベーラ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
出演:ラルス・ルドルフ、ペーター・フィッツ、ハンナ・シグラ、デルジ・ヤーノシュ