おふたりは、何が魅力で演じることを続けていらっしゃるんだと思いますか?
滝藤:本当ですね。何が魅力なんですかね。考えたことない…。演技していると、のんちゃんとの間で生まれる、“俳優にしかわからない瞬間”がある気がするんです。そういう時って、周りの環境全てを受け入れられるというか。例えば、スタッフさんがちょっと動いたり、誰かが物落としちゃったり、お腹が鳴っちゃったりしても、あたかも全てが日常生活のように、受け入れられながら、のんちゃんに集中している。
そんな環境で、心から怒りが湧いたり、悔しくて涙が溢れたり、その瞬間を1度でも経験してしまうとやめられないのかもしれない。あの瞬間を求めている気がします。虚構の世界、作られた物語の中で、真実を少しでも多くしたい。そこに魅力を感じているのかもしれません。
その瞬間を自発的に生み出すよりは、生み出されるというニュアンスが近いのでしょうか?
滝藤:僕の場合はそうです。相手役とのセッションの中で生まれてると思います。
のん:そういう気持ちよさをたくさん経験してきた方との演技はもう本当に格別なんです!気持ちよかったー!って感じです。(笑)全ての歯車が合って、「今のよかったよね」という現場にいる人にしかわからない手応えを感じられる。その空気感が映像に現れてるとどうだ!自分にはこれができるんだ!みたいな誇らしい気持ちになります。(笑)特に滝藤さんとは、気持ちのいい瞬間がいっぱいありました。
滝藤:“俺たち最高の瞬間作ったぜ!“って思えたよね!こんなこと言っていいのかな?(笑)のんちゃんと圭くんに引っ張られて、面白い瞬間が繋がっていくように感じました!
のん :とにかく演じていて、本当に全部楽しかったです!撮影中も安心して、質の高い睡眠がとれました(笑)。
【作品詳細】
映画『私にふさわしいホテル』
公開日:2024年12月27日(金)
監督︓堤幸彦
出演︓のん、田中圭、滝藤賢一、田中みな実、服部樹咲、髙石あかり、橋本愛、橘ケンチ、光石研、若村麻由美
原作:柚⽊⿇⼦「私にふさわしいホテル」(新潮⽂庫刊)
脚本:川尻恵太
音楽:野崎良太(Jazztronik)
主題歌:奇妙礼太郎「夢暴ダンス」(ビクターエンタテインメント)
配給:⽇活/KDDI
特別協力:山の上ホテル