「大英自然史博物館展」が東京・上野の国立科学博物館にて開催中だ。会期は、2017年3月18日(土)から6月11日(日)まで。
ロンドンに位置する大英自然史博物館。世界で最も優れた博物学標本のコレクションが所蔵されており、それを一目見ようと毎年約500万人が訪れるイギリス屈指の人気観光地だ。
また、300人以上の科学者や学生が所蔵コレクションを用いて病気や気候変動、地球の生物多様性への脅威といったテーマで研究に勤しんでいる研究機関でもある。
本展では、そんな貴重なコレクションが博物館の外を出る初めての世界巡回展で記念すべき最初の展覧会。人類の歴史をめぐる、動植物や化石、岩石および鉱物などの8000万点に及ぶ膨大なコレクションから選りすぐりの約370点を展示する。
そのほとんどが本国の常設展にも出ていないもので、ほぼすべて日本初公開となる。さらに会場では、様々な映像が上映されるので、科学知識や歴史の流れといった標本に隠されたストーリーを捉えながら楽しめる。
今回、東京に上陸した約370点の至宝を「化石や骨」「動物・鳥類の標本」「隕石・水晶などの鉱物」という3つの切り口で紹介。展示会の魅力に迫る。
会場に並ぶ化石や骨の中には、最古の鳥類とされた「始祖鳥」や約500年前に発見された巨大な“飛べない絶滅鳥”の「モア」、皮膚がゾウより固い1500kgの「オオナマケモノ」などがいる。
骨を元に再現した彼らの当時の姿が動画で映し出されているので、骨と比較して見ると興味深い。動画には絶滅した動物たちが、夜の静まり返った大英自然史博物館を練り歩いたり、獲物を食べたりするユニークなCG映像が流れている。
今にも動き出しそうな動物や鳥の標本は、インパクトがある展示物の1つだ。“飛べない鳥”の「ヒクイドリ」や羊を守るために駆除され、絶滅に追いやられた「タスマニアンタイガー」、さらに氷点下の南極に生息していた「皇帝ペンギン」の雛などの標本が置かれている。俳優・山田孝之の音声ガイダンスが語る時代背景とともに、ぜひチェックしたい。
石好きの人にはたまらない隕石や水晶などの展示コーナー。ここでは九州の薩摩に落ちたとされる隕石、愛媛で発見された高品質のアンチモナイト(輝安鉱)などが見られる。