2011年12月10日(土)~2012年1月28日(土)の期間、東京・清澄の小山登美夫ギャラリーでオノ・ヨーコ展「灯 あかり」が開催されている。今回の展覧会では、震災を受けた日本に灯をもたらすような作品が展示されており、話題を集めている。
世界にひらめきを与えるメッセージを発信し続けてきた、オノ・ヨーコ。その創造的活動への原動力には、「平和と自由への祈り」 というテーマが存在していた。彼女の作品は、社会の規範や固定された価値観へ疑問を投げかけ、そして特に社会が変化を迫られる時に、人々にそれぞれの想像力に働きかけることで未来への力を与えてきた。
広島と長崎の市民が不屈の精神と叡智の力で深い悲しみと苦難を乗り越えてきたその力が世界に希望の光を与えるのです。人類の最高の叡智は、私たちみんなが持っている超能力です。それはいざという時に、意識の奥から出てくる叡智に輝く力で、念願だけで山を動かすこともできる凄い力です。
私の愛があなたの超能力を引き出す力になってくれることを祈って。
※オノ・ヨーコ 「人類の叡智の力を信じましょう」 2011 より
今回の展示作品は、観客が巨大な迷路の中を歩き、暗闇を抜けた先に光を見つける作品「灯への道」や、暗闇の中のほのかな光に映し出される透明な人間型のオブジェ「ミエナイ人タチ」、広島市現代美術館で展示された、広島市現代美術館で展示された東日本大震災で倒壊した家の部材や家具を再建への願いを込め並べた作品「ノコリ」の再制作など。また、この作品の一部に基づいて、今回の「灯 あかり」展のために制作した新作エディション作品「AIR CLOCK」も展示。そして6Fのスペースには、作家の祈りと思いが込められた文字が展示されている。
【オノ・ヨーコ展「灯 あかり」概要】
期間: 2011年12月10日(土)~2012年1月28日(土) (火曜日~土曜日 12:00~19:00 日・月・祝休業)
冬期休廊日: 2011年12月25日(日)~2012年1月4日(水)
会場: 小山登美夫ギャラリー
入場無料
住所: 〒135-0024 東京都江東区清澄1-3-2-7F
TEL: 03-3642-4090
交通アクセス:東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線清澄白河駅A3番出口 徒歩7分
URL:http://www.tomiokoyamagallery.com/
【アーティストプロフィール】
オノ・ヨーコ
1933年、東京生まれ。日本で哲学を学び1953年にニューヨークに移りすぐにニューヨークの前衛活動の中心的な存在となった。1960年代から世界中で展覧会やパフォーマンスを行い、それらはアートシーンの展開に大きく貢献した。その表現形式は美術、音楽、映像、パフォーマンス、詩と幅広く、フルクサス、コンセプチュアルアート、ヴィデオアートそしてフェミニズムなど重要な芸術運動に影響を与えて続けている。これまでに世界中の美術館で数々の展覧会を行っているが、2000年~2002年にニューヨークのジャパン・ソサエティーが企画した回顧展「YES オノ・ヨーコ」展は北米6都市を巡回し、2003年から2004年にかけてアジア巡回、東京都現代美術館、水戸芸術館、広島市現代美術館など日本の5都市を巡回した。また、近年では2008~2009年開催の個展「オノ・ヨーコ空と私の頭との間に(YOKO・ONO: BETWEEN THE SKY AND MY HEAD)」(クンスタハーレ・ビーレフェルト、ドイツ/バルティック現代美術センター、ゲーツヘッド、イギリス)が話題を呼んだ。2009年にはヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞生涯業績部門受賞。小山登美夫ギャラリーでは初めての個展となる。
※第8回ヒロシマ賞受賞記念オノ・ヨーコ展 希望の路 展覧会図録 Vol.1よりの引用に加えて一部を加筆