特別展「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」が、山梨県立美術館にて開催される。期間は2017年9月2日(土)から10月22日(日)まで。
20世紀初頭のフランスで、「野獣派(フォーヴィスム)」の旗手としてデビューしたのち、独自の画風で高い評価を得たモーリス・ド・ヴラマンク。画家として、そして文筆家としても活躍した彼の才能は、それだけに留まらないものであった。「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」ではそんな彼の多様な活動を振り返るとともに、独自の表現を探究したひとりの画家としての軌跡を追う。
ヴァイオリン教師の父とピアノ教師の母の間に生まれたヴラマンクは、幼い頃から音楽の手ほどきを受けていた。さらに、15歳の時に自転車を買ってもらったことから、自転車レースにも興味を持つようになったという。
18歳で結婚、19歳で長女が生まれてからは、ある時はダンスホールのオーケストラでヴァイオリンを弾き、またある時は自転車レースに出るなどして生活費を稼いでいた。芸術に興味をもっていたが、20歳で軍隊に入隊し、4歳年下の画家の卵アンドレ・ドランと出会い意気投合。軍隊を24歳の時に除隊したのち、ドランと共同でアトリエを借りて本格的に絵を描くようになった。
画家のアンリ・マティスのすすめにより、展覧会デビューを果たした2人。彼らの絵画が集められた部屋は、「野獣(フォーヴ)の檻」と名付けられ、以来、彼らは「フォーヴ」と呼ばれるようになる。これをきっかけに画商がつき、ヴラマンクは絵画に専念することを決意した。
「フォーヴィスム」様式で表現の探求を行っていた当時、没後1年のセザンヌの回顧展が開催された。ヴラマンクはセザンヌに触発され、画面空間の構成を改めて学ぶことに。とは言え、ヴラマンクはセザンヌから派生したキュビスムや抽象絵画などへ移行するわけではなく、終生キュビスムへは非難を示す。
そして訪れたひとつの転機が第⼀次世界大戦。彼は、静かな郊外に移り住んで制作に専念。それから亡くなるまで33年間、風景や身近なもの、花などを描き続け、身の回りの自然に向き合った。特に、黒を基調とした風景画を得意とし、コントラストの強い色彩と震えるような筆遣いは彼ならではの手法。ぶれのない姿勢を貫いたことが、独自の表現を生み、彼の制作活動を大きく発展させた。
【詳細】
山梨県立美術館特別展「ヴラマンク展絵画と言葉で紡ぐ人生」
会場:山梨県立美術館特別展示室
会期:2017年9月2日(土)~10月22日(日)
休館日:9月4日(月)、11日(月)、19日(火)、25日(月)、10月2日(月)、10日(火)、16日(月)
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
観覧料:⼀般 1000円(840円)、大学生 500円(420円)
※( )内は20名以上の団体料金、前売料金、県内宿泊者割引料金
※高校生以下の児童・生徒は無料
※県内65歳以上の人は無料(健康保険証等持参)
※障害者手帳持参で本人と付き添い1名が無料
※前売券は山梨県立美術館にて、2017年8月2日(水)〜9月1日(金)まで販売
問い合わせ先:055-228-3322