中之島香雪美術館が、大阪・中之島に2018年3月21日(水・祝)に開館する。
中之島香雪美術館がオープンするのは、大阪屈指のビジネス街にそびえる高層ビル、中之島フェスティバルタワー・ウエスト。近代的な空間の中に存在しながらも、静謐で品格ある空気感に満ちた「市中の山居」の様な空間を目指す。木目の切子格子や温かみのある土壁がロビー・エントランスを飾り、現代建築に溶け込む和の世界観を感じられる。
「香雪」は、朝日新聞社の創業者である村山龍平の雅号に由来する。1973年には、神戸・御影に香雪美術館が開設され、国指定重要文化財19点、重要美術品22点をはじめとする、仏教美術から茶道具に至るまでの所蔵品を保存し、展覧会にて公開している。中之島香雪美術館は、御影の本館に次ぐ2番目の、「村山コレクション」を紹介する施設として開館。
中之島香雪美術館開館に伴って行われる開館記念展「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」では、香雪美術館の施設の制約上、これまでは十分な紹介が難しかった「村山コレクション」の全容を初めて紹介する。
落ち着いた雰囲気の展示室には、高いスペックの技術や機材を取り入れ、快適な鑑賞環境を作り上げている。国内最高水準の超高透過ガラスに低反射加工を施した展示ケースは、ガラスの存在に気が付かないほどの透明度を誇る。照明には、高演色性能のLED照明を採用。作品ごとに個別調光が可能なため、作品の魅力を存分に引き出すことができる。
茶室「中之島玄庵」の展示と、「村山龍平記念室」の常設スペースも見所の一つだ。
神戸市にある、重要文化財・旧村山家住宅に建つ茶室「玄庵」を、茶庭である「露地」も含め、原寸大で正確に再現。藪内流家元の「燕庵」の忠実な写しとして作られた「玄庵」は、古田織部好みの様式を伝える貴重な茶室建築だ。茶室正面の土壁部分を取り外すことができ、茶室内部の空間が見えやすくなっている。神戸・御影の四季の風景を映像・照明で演出し、自然の中にある茶室の姿を鑑賞できる。材料選びや伝統的な建築技法、茅葺きの様子など、茶室再現の過程を追った映像も見られる。
中之島香雪美術館の所蔵品は、村山龍平のコレクションが多くを占めている。「村山龍平記念室」では、新聞作りに邁進するとともに、日本文化や美術を支援し続けた村山の生涯を、年表や資料の展示で辿る。旧村山家住宅の90分の1のジオラマや、洋館の2階居間部分を再現したコーナーも。また、美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心などが創刊し、村山が財政支援した現存最古の美術雑誌『國華』も登場する。
中之島香雪美術館
オープン日:2018年3月21日(水・祝)
住所:大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階
TEL:06-6210-3633
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日) ※展示替えなどによる臨時休館あり
入館料:一般 900(700)円、高大生 500(350)円、小中生 200(100)円
※()内は前売り・20名以上の団体料金
敷地面積:美術館エリア(全体) 962平方メートル