無題 シリーズ《あめつち》より 2012

東京都写真美術館では、写真家として若い世代を中心に支持され、国際的にも活躍する川内倫子の個展「照度 あめつち 影を見る」2012年5月12日(土)～7月16日(月・祝)の期間、首都圏の美術館として初めて開催する。

川内倫子作品の代名詞となる写真スタイル、ローライフレックス6×6cmのフォーマットによる写真シリーズ《Illuminance》は、川内が約15年をかけて撮りためたもの。数々の瞬間の光景のなかに光と闇、生と死、過去と現在が交錯し、作家独自のイメージの世界が空間的に展開される。その他、初公開となる最新作も登場。20分かけてゆっくりと燃えていく山をとらえた新作シリーズ《あめつち》からは約15点のオリジナルプリントと映像作品、そして一年のうちの決まった季節、決まった時間に現れる渡り鳥の群れの飛行をとらえた映像作品《影を見る》(新映像作品)が展示される。4×5 インチの大判カメラで撮影され、約2m 幅の大サイズでプリントされる写真作品や大画面による体感的な映像のプレゼンテーションは、これまでの川内倫子の作品には見られないスケールの大きな世界観を反映している。

約80点の作品からは、自らの写真行為の意味を捉え直す試みに挑戦した川内の、新境地を垣間見ることができるだろう。

右)無題 シリーズ《Illuminance》より 2007

【展覧会情報】
「川内倫子展 照度 あめつち 影を見る」
会期：2012年5月12日(土)～2012年7月16日(月・祝)
会場: 東京都写真美術館 2階展示室
〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
ホームページ: www.syabi.com
TEL: 03-3280-0099
開館時間: 10:00～18:00(木・金は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日: 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
観覧料: 一般 700(560)円／学生 600(480)円／中高生・65歳以上 500(400)円
※( )は20 名以上団体料金、東京都写真美術館友の会会員
※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料
※第3水曜日は65歳以上無料

【アーテイストプロフィール】
川内 倫子(かわうち・りんこ)
1972年、滋賀県に生まれる。2002年『うたたね』『花火』(リトルモ ア刊)の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。主な著作は他に『AILA』(2004 年・フォイル刊)、『the eyes,the ears,』『Cui Cui』(共に2005年・フォイル刊)、2011年『Illuminance』を世界5カ国で同時出版(日本版はフォイル刊)。2009年 ICP(International Center of Photography)主催の第25回インフィニティ賞芸術部門受賞。国内外で個展・グループ展多数。

【関連イベント】
会場：1 階ホール (定員190 名)
■対談：内藤礼(現代美術作家)× 川内倫子
日時：2012年5月25日(金) 18:30～20:00
■対談：原田郁子(音楽家)× 川内倫子
日時：2012年6月22日(金) 18:30～20:00
※本展覧会チケットが必要、各日当日10時より1階受付にて入場整理券を配布

【担当学芸員によるフロアレクチャー】
日時：会期中の第1・第3金曜日14 時より
※本展覧会チケット(当日消印有効)が必要