アートとテクノロジーを通じて未来を考えるイベント「未来の学校祭 “脱皮 / Dappi ―既成概念からの脱出―”」が、東京ミッドタウン各所にて開催される。期間は2020年2月20日(木)から2月24日(月・振休)まで。
東京ミッドタウンが開催する「未来の学校祭」は、アートとテクノロジーを通じて、“未来の社会”を考えるイベント。「アートやデザインを通じて、学校では教えてくれない未来のことを考える新しい場」をコンセプトに2019年よりスタートし、今回で2回目を迎える。
会場で目にすることができるのは、世界的なメディアアートのイベント「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」の出展作品をはじめ、企業、大学の取り組み。最先端のテクノロジーを駆使した体験型展示や、パフォーマンス、ワークショップ、トークなど多彩なプログラムを通じ、“未来の社会”について考えを巡らせることができる。
2020年の開催テーマは「脱皮 / Dappi —既成概念からの脱出—」。既成の枠組みを打ち破ろうとするアーティストたちの作品を通じて、わたしたちが気づかないうちに捉われている“自分の殻”から抜け出す方法を探る。プログラムは主に、ガレリアをはじめとする「脱皮ラボラトリー」、プラザB1の「脱皮ルーム」、アトリウムの「脱皮スクエア」の3か所で行う。
「脱皮ラボラトリー 〜先端的な技術・研究・プロトタイプへの脱皮〜 」は、AIなどの最先端技術を用いた研究に触れることができるセクション。伝説的ピアニストをAIで蘇らせるプロジェクトや味覚を可視化するなどユニークな取り組みから、現代の当たり前を覆す“未来の社会”について考えることができる。
「ディア グレン,ヤマハ A.I. プロジェクト(Dear Glenn, Yamaha A.I. Project)」は、いまもなお世界中の人々に愛される伝説的ピアニスト、故グレン・グールドの音楽表現をピアノで演奏することができ、さらに人間と協調して合奏することができる世界初のAIシステムを公開するプロジェクト。会場ではAIによって学習されたグールドの演奏を自動演奏ピアノで体験することが可能だ。AIと人間が互いに刺激し合い、共創する新しい音楽表現のあり方を探る。
「ワイナリ(WaiNari)」は、“おいしい”という表現を見つめ直す展示。最新の技術を用いて、ワインに対する「おいしい」「飲みやすい」という単純な味覚表現を、より豊かに具体化することを試みる。参加者がワインの感想を語ると、その味覚の表現を視覚化・言語化することが可能なのだというが...どんな体験ができるのかは行ってみてのお楽しみだ。
「脱皮ルーム 〜自分自身からの脱革~」には、今までと違う視点で自分を眺めることができる作品を展示。
「スリットスキャン」と呼ばれる撮影技法を用いた「リミナル(LIMINAL)」は、“過去の自分”からの脱皮を促す体験型作品。光の輝く門を通ると、自分がゆがんだり伸びたりして映し出される様子を目にすることができ、“現在は過去に置き換えられていくもの”という事実を、視覚的に感じ取ることができる。
二人一組で体験する「アルターエゴ(Alter Ego (Version Ⅱ))」は、特別な鏡を通して、自分と他者を見つめる作品。激しく繰り返される灯りの点滅と共に、自分と他者が代わるがわる鏡の中に映し出される。体験者はこの作品を通じて、“人は自分をどのように認識しているのか”、“他者への同情や共感はどのように生まれるのか”という認識を改めて考え直すことになるだろう。
「脱皮スクエア 〜新しい社会システムへの脱皮〜」では、わたしたち自身が、社会の問題をどのように変えていけるかを考えるためのプログラムを行う。