竹宮ゆゆこの小説「砕け散るところを見せてあげる」が、中川大志&石井杏奈W主演で実写映画化。映画『砕け散るところを見せてあげる』として、2021年4月9日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマ他にて全国公開される。
原作「砕け散るところを見せてあげる」は、アニメ「とらドラ!」「ゴールデンタイム!」を手掛けた漫画原作者・小説家の竹宮ゆゆこの人気作で、高校生・濱田清澄がいじめにあう女子高生・玻璃をいじめから守ろうと奮闘するさまを描いたストーリー。紀伊国屋書店などの大型書店では、文庫売上ランキング第一位が続出するほど、発売当初から話題を呼んだ作品だ。
SABU監督“衝撃の愛の物語”をどう描く?
そんな人気小説を映画作品へと昇華させるのは、モスクワ国際映画祭やベルリン国際映画祭などでその才能を評価される“鬼才”SABU監督。映画『jam』『MR.LONG/ミスター・ロン』『蟹工船』などを手掛けたSABUが、常識を覆す新しい愛の物語をどう描くのか?高い期待が募る。
■映画『砕け散るところを見せてあげる』ストーリー
どこにでもいる高校生の濱田清澄は、“学年一嫌われ者”と呼ばれて孤立していた一年生の蔵本玻璃を、いじめの手から救い出そうとする。清澄は玻璃の愛らしさと心の美しさに気づき、玻璃は清澄に感謝と憧れの想いを抱き、二人は心の距離を縮めていく。だが、玻璃には誰にも言えない秘密があり、玻璃を守り抜こうとする清澄にも〈恐るべき危険〉が迫る──。
映画『砕け散るところを見せてあげる』のW主演を務めるのは、青春映画にひっぱりだこの人気俳優。『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子。』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した中川大志、またE-girlsのダンサーであり、映画『ガールズ・ステップ』『ソロモンの偽証』でブルーリボン新人賞を受賞した石井杏奈が、“砕け散る”ほどの体当たり演技で衝撃の愛の物語を演じ切る。
濱田清澄(中川大志)
受験を控えた高校3年生。蔵本玻璃を、いじめの手から救い出したことを機に、清澄は玻璃の愛らしさと心根の美しさに気づく。
蔵本玻璃(石井杏奈)
高校1年生。“学年1嫌われ者”と呼ばれ、いじめられ孤立。清澄に助けられ、感謝と憧れの想いを抱き、惹かれ合う。ただ、玻璃には誰にも言えない秘密があった。
また、井之脇海、清原果耶、松井愛莉、北村匠海、矢田亜希子、木野花、原田知世、堤真一といった豪華俳優陣も出演。配役は以下の通りだ。
田丸玄悟役 - 井之脇海…濱田清澄の親友。
尾崎の妹役 - 清原果耶…玻璃をいじめから守ろうとする、玻璃のクラスメイト・尾崎の妹。
尾崎の姉役 - 松井愛莉…何かと清澄を気にかけるクラスメイト・尾崎の姉。
真っ赤な嵐役 - 北村匠海…清澄の息子。
清澄の母役 - 矢田亜希子…おしゃべり好きで市立病院に勤務する清澄の母。
近所のクリーニング屋役 - 木野花…清澄と玻璃を応援する近所のクリーニング屋。
真っ赤な嵐の母役 - 原田知世…清澄と結婚、真っ赤な嵐の母。
玻璃の父親役 - 堤真一…玻璃の父親。
映画『砕け散るところを見せてあげる』の主演・中川大志にインタビューを実施。中川演じる主人公の清澄は、学年⼀の嫌われ者と呼ばれる孤独な少⼥・玻璃を守るため、‟ヒーローになってみせる“と心に誓う正義心たっぷりの男子高生だ。やがて惹かれ合う二人の姿は、甘酸っぱい青春ストーリーを予期させるが、その背後には想像を絶する<危険な影>が迫っていた。常識を覆す愛の物語に、若手実力派俳優・中川はどのように挑んだのか?役作りや撮影秘話、俳優業に関することまで、たっぷりと話を伺った。
■初めて台本を読んだ際、どのように感じましたか?
この作品は‟愛の物語“だと思うのですが、キレイな部分だけじゃなくて、すごく過酷な状況だったり、残酷さの中だからこそ見えてくる‟愛”というものが描かれています。あまりにも色んな要素が入り混じっていて、物語が進むごとにギアがどんどん変わっていく感じに、ゾクゾクしたことを覚えています。同時に、普通の高校生では体験し得ない運命を担う清澄という役柄は、自分にとってもチャレンジングなものでしたので、非常にやりがいを感じていました。
■中川さんといえば、 『坂道のアポロン』の千太郎役で、原作コミックを忠実に再現したストイックな役作りで注目を集めました。今回の清澄役を演じる上でも、原作をベースにしたアプローチを行ったのでしょうか?
いいえ、実は今回原作は読んでいません。
台本を読んだ際に、清澄というキャラクターについて感じたことは、本当の意味で‟ナチュラル“な青年であるということ。例えば、学校でいじめを目撃した時、周囲の視線を気にすることもなく、当たり前に相手を助けようと心の底から思っている人間なんですよね。
その上で大切だったことが、僕が「この台詞はこう言ってみよう」「このシーンはこう演じてみよう」といった計算された演技をするのではなくて、逆に‟そぎ落とす”という行為。身体が自然に動いてしまう、というレベルのピュアさが、清澄役には必要だと感じたので、自分の感覚を大切にしました。監督からも、「これまで積み上げてきた役者としての経験を一度捨てて作品に向き合ってほしい」といったアドバイスを頂いたので、当時はまっさらな状態で撮影に挑みました。
■‟まっさらな状態”というのは、非常に難しそうですね…
この状態に辿り着くには、下準備が必要なんです。基礎がないと‟捨てること”ができないんですよ。この感覚は、スポーツ選手にも通ずるものがあると思っていて、試合前ってそこに向けて沢山トレーニングを重ねるじゃないですか。でも実際本番になると、目の前の相手と競う事に集中しなければいけないから、練習でやってきたことなんて考えている場合ではないですよね。
それでも自分の中で「これだけ努力を重ねてきた」という確かなものがあるからこそ、僕もカメラの前で全部投げ捨てることができる。「もう何が起きてもいい、どうなっていもいい」という状態になれるんです。
■そう思えるだけの基盤を用意しておくということですね。
はい。この仕事は、もちろん台詞をはじめとする<インプット>の準備が膨大にあるのですが、それよりもさらに難しいのは、それを<捨てること>と<忘れること>。それは未だに自分の中で大きな課題であり、色んな役を通して磨いていこうと日々挑戦している最中です。