展覧会「テート美術館所蔵 コンスタブル展」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館にて開催。なお、2021年5月30日(日)までの会期を予定していたが、4月25日(日)からの臨時休館に伴い閉幕となる。
19世紀イギリスの画家ジョン・コンスタブルは、1歳年長のJ. M. W. ターナーとともに自国の風景画を刷新したことで知られる。しかし彼らの制作は対照的で、ターナーが各地を旅して国内外の景観の膨大な素描を残したのに対し、コンスタブルは自らの生活や家庭環境に結びつく場所を描き続けたのだ。
日本では35年ぶりの回顧展となる「テート美術館所蔵 コンスタブル展」では、世界有数のコンスタブルのコレクションを誇る英国・テート美術館の作品を中心に、初期から晩年までの風景画や、ターナーといった同時代の画家の作品も展示。全85点の作品から、コンスタブルが達成した豊かな風景画の世界を紹介する。
1776年、イングランド東部のサフォーク州イースト・バーゴルトに生まれたコンスタブルは、ロンドンの美術学校ロイヤル・アカデミーに入学後、優位に置かれていた肖像画などを手掛けつつも、自分が愛着をもつ土地を描いていた。そして1802年、「自然が根源的にもつ本質を探る」ため、戸外での風景画制作を始めた。本展では、《フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)》をはじめ、コンスタブルが身近な土地を描いた油彩画の数々を目にすることができる。
コンスタブルは1816年末に結婚し、家庭生活を維持するべく肖像画制作に励む一方、風景画にも注力。1819年にはロイヤル・アカデミーの准会員に選出され、評価を高めた。そして1820年代初頭には、ロンドンの北に位置するハムステッドの澄んだ空気のもとで家族と過ごし、1824年以降には結核を患う妻の療養のためにブライトンをたびたび訪れるようになる。会場では、ハムステッドで画家を魅了した雲の習作や、家族や友人と過ごした土地の風景を描いた作品を展示する。
1828年に妻を亡くした数ヶ月後、コンスタブルは、ロイヤル・アカデミーの正会員に選出され、批評に縛られずに主題や技法を選ぶ自由を得た。以後、過去に描いてきたサフォークなどの風景に取り組み、後期には、画中のモティーフを自由に配置しなおすなど、想像力を駆使した作品を手掛けた。会場では、《虹が立つハムステッド・ヒース》など、壮大で「ピクチャレスク」な風景画を紹介する。
さらに、コンスタブルの大作の1つ《ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、1817年6月18日)》にも注目。同作は、ターナーの《ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号》とともに、1832年のロイヤル・アカデミー夏季展に出品された華やかな風景画だ。本展では、これら2作が日本では初めて並んで展示される。
展覧会「テート美術館所蔵 コンスタブル展」
会期:2021年2月20日(土)~5月30日(日)
※2021年4月25日(日)からの全館臨時休館に伴い閉幕
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合、およびトークフリーデーの2月22日(月)・3月29日(月)は開館)
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、および第二水曜日は21:00まで)
※入館は閉館30分前まで
※来館に際しての注意事項は、美術館公式サイトを参照
※会館時間や会期などは変更となる場合あり
■チケット情報
入館料:
・当日券 一般 1,900円、大学生・高校生 1,000円、中学生・小学生 無料
・マジックアワーチケット(毎月第2水曜日17:00以降) 1,200円
※マジックアワーチケットは、実施月の1日に「Webket」内にて販売開始
※障碍者手帳の所持者は半額、付添1名は無料
※価格はいずれも税込
注意事項:
・日時指定券を持っている場合、入場の際には優先的に案内
・学生割引および障碍者手帳割引などで来館する場合、美術館のチケット窓口での販売
※日時指定券の販売開始日は、順次美術館ウェブサイトにて告知
※前売券の販売はなし
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)