森美術館は、開館10周年を記念し、2013年9月21日( 土)から2014 年1月13日( 月・祝)まで、「アウト・オブ・ダウト展――来たるべき風景のために( 六本木クロッシング2013)」を開催する。「六本木クロッシング」は、森美術館が3年に一度、日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として2004年から開催してきたシリーズ展。
「アウト・オブ・ダウト展」とは、東日本大震災以降、社会的な自覚や意識が明確に高まっている現在の日本において、これまでのあらゆる社会通念や既存の制度に向けられた疑念(ダウト)から、どのような生産的な議論を生み出せるかという問題を提起。サブタイトルの「来たるべき風景のために」は、中平卓馬の写真集「来たるべき言葉のために」に由来している。
参加アーティストは約30組で、1970~80年代生まれが中心。
日本を歴史的に再検証する意味で、1950年代のルポルタージュ絵画運動に参加していた中村宏(1932年生まれ)と風間サチコ(1972年生まれ)の作品の併置など戦後の前衛的な日本美術を牽引してきたアーティストたちとの世代を超えた対話も試みる。
オーストラリア在住の高坂正人、流井幸治、アキラ・アキラ、ニューヨーク在住の田島美加、笹本晃、荒川医などまた、海外在住あるいは日系アーティストも紹介。日本の文化の拡がりについても考察する。そのほか、絵画、彫刻など「モノ」として完結した作品から、パフォーマティブな実践、制作プロセスの優位性、オブジェクトを越えた表現などにも注目が集まる中、海外在住アーティストの実践を中心に、これらの相関関係を探る。
また、本展は、シリーズ初の試みとして海外から、日本のアートシーンに精通した海外の30代のキュレーター、ルーベン・キーハン(豪州クイーンズランド・アートギャラリー|ブリスベン近代美術館)とガブリエル・リッター(米国ダラス美術館)を迎え、森美術館チーフ・キュレーター片岡真実と3名で共同企画。2003年の開館から10年。激変し続ける世界で、日本の現代アートの様相を浮き彫りにしつつ、未来への可能性を導き出すきっかけとなることを目指す。
■ 出展アーティスト( 予定) ※アーティスト・グループ名/姓のアルファベット順
赤瀬川原平、アキラ・アキラ、新井 卓、荒川 医+南川史門、朝海陽子、千葉正也、遠藤一郎、サイモン・フジワラ、岩田草平×プロマイノリティ、泉 太郎、金氏徹平、風間サチコ、小林史子、小泉明郎、満田晴穂、森 千裕、中平卓馬、中村 宏、中村裕太、丹羽良徳、奥村雄樹、流井幸治、笹本 晃、下道基行、菅 木志雄、田島美加、高坂正人、柳 幸典
【概要】
アウト・オブ・ダウト展――来たるべき風景のために( 六本木クロッシング2013)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53 階
開館時間:10:00 –22:00 |火10:00 –17:00 |
*いずれも入館は閉館時間の30 分前まで
*会期中無休
入館料:一般1,500 円、学生( 高校・大学生)1,000 円、子供(4 歳-中学生)500 円*本展のチケットで展望台 東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)
*スカイデッキへは別途料金がかかります。
お問い合わせ:Tel: 03-5777-8600(ハローダイヤル)