スタンリー・キューブリック監督の長編デビュー作「恐怖と欲望」が、2013年5月3日より、東京・オーディトリウム渋谷ほか全国で順次公開される。
「2001年宇宙の度」「時計じかけのオレンジ」「シャイニング」などの革新的な映像で知られる巨匠スタンリー・キューブリック。一般的に彼の長編デビュー作は1955年公開の「非情の罠」とされているが、本作「恐怖と欲望」はそれ以前に製作された作品。
裕福な伯父に資金を出資してもらう事で製作が実現した本作は、公開当時ニューヨークの批評家達から好評を得る。しかし完璧主義者のキューブリックは、ほぼ未経験の出演者やスタッフで製作された本作を「アマチュアの仕事」と評した。作品を忌み嫌っていたキューブリックは、結果的にプリントのほとんどを買い占めることで作品を封印してしまった。
長い間キューブリック「幻の作品」だった本作は、2012年3月にニューヨークで開催された「ニュー・ディレクター / ニュー・フィルムズ」という新人監督に焦点をあてたイベント上映のプログラムの一つとして公開され、大きな話題を呼んだ。2013年現在、残されたプリントはニューヨークのコダック・アーカイヴに保管されているわずか一本のみ。
今回が初のお披露目となる、貴重なキューブリック幻の長編デビュー作をお見逃し無く。
【あらすじ】
どこかの国で起こっている戦争。爆撃を受け敵地の森へ墜落した4人の兵士たちがいた。空軍の上官コービー中尉(ケネス・ハープ)、ベテランのマック軍曹(フランク・シルヴェラ)、新米のシドニー二等兵(ポール・マザースキー)とフレッチャー二等兵(スティーヴン・コイト)。彼らは森に沿って流れる河を、筏を作り下って脱出することを計画し、その対岸に敵軍のアジトを発見する。マック軍曹は奇襲をかけることを提案するが、コービー中尉に反対される。翌日、地元の女性(ヴァージニア・リース)に姿を見られた4人は彼女をベルトで木に縛り付け拘束する。女性の見張をしていたシドニー二等兵は女性に欲情し犯そうとするが、彼女は彼を振り払って逃げ出す。敵に知らされることを恐れたシドニー二等兵はとっさに腰につけた拳銃を抜き、彼女を射殺してしまうのだった・・・。
【作品詳細】
監督・製作・撮影・編集:スタンリー・キューブリック
脚本:ハワード・サックラー(「非情の罠」「ジョーズ2」)
音楽:ジェラルド・フリード(「突撃!」「ルーツ」〈テレビシリーズ〉)
出演:ケネス・ハープ
フランク・シルヴェラ(「非情の罠」)
ポール・マザースキー(「ハリーとトント」「結婚しない女」監督)
スティーヴン・コイト(「宇宙大征服」)
ヴァージニア・リース(「ファースト・ラブ」「赤い崖」)
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