Photo credits: Agathe Poupeney - Opéra national de Paris / Inez & Vinoodh
ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)のクリエイティブ・ディレクターであるリカルド・ティッシが、パリ国立オペラ座のガルニエ宮のアトリエとオペラ・コスチュームのデザインした。リカルド・ティッシにとって、初めて手がけるバレエ・コスチュームのソロ・プロジェクトとなった。
熟練された職人技術とのコラボレーションは、オートクチュールを制作していくのと似ているという。オペラ座バレエ団芸術監督のブリジット・ルフェーブルからコスチューム制作を依頼されたことがきっかけで、今回のプロジェクトが実現した。
「バレエ衣装をデザインすることは、デザイナーとしてのひとつの夢です。
過去に大きな舞台やオペラ衣装を依頼されたことが何度もありましたが、ずっと決心がつきませんでした。ところが、この依頼が来たとき多くの理由で『yes』というべき時であると感じました。
まず第一に、世界で最も大きなオペラ劇場でありフランスを象徴する施設であるオペラ座バレエ団芸術監督のブリジット・ルフェーブルからコスチューム制作を直々に依頼されたということをイタリア人としてとても誇りに思っています。
次に、演目がボレロであるということ。マリーナ・アブラモビッチによる舞台デザインからシディ・ラルビ・シェルカウィとダミアン・ジャレによる振り付けに至るまで、奇才で個性的なクリエーター集団によって構成される驚くべきプロジェクトだということです。ボレロは、激しさそのもの! 音楽は激しく情熱的な感覚を放っています。どうにかしてダンサーたちが裸で踊っているように感じられるデザインにしたいと思いました。
コスチュームはダークネスとロマンティシズムという私の二面性を表現しています。ダンサーが錯覚によってヌードのように見えるよう、チュール素材にホワイトレースの刺繍を施してスケルトン模様を形作った、身体全体をぴったりと覆うキャットスーツを着用しています。ダンサーは、動物のライフ・サイクルによって脱皮していくように、また花が花びらを散らすかのように、踊りながらいくつかのレイヤーを脱いでいきます。踊るスケルトンは、強く、そしてまた同時に繊細に表現されています」
――リカルド・ティッシのコメントより