ミュージシャンとして、第一線で比類なき活動をつづけているデイヴィッド・シルヴィアンが、永年にわたり撮りつづけた写真作品による個展「abandon/hope」が、東京・青山にあるスパイラルガーデンで開催中。会期は2013年7月22日(月)から7月29日(月)までの1週間で、同名の写真集も同時に発売される。
時間やロケーションを超えて、デイヴィッドの心に響き共振したイメージ約70点の写真作品には、彼の創りあげるサウンドの美意識とリンクする、清冽で強靭な美意識が溢れている。重要なのは、フォーム、シェイプ、カラーなどそれぞれのイメージ自体がもつ抽象的な性質や、見る人の心の中で呼び起こされるストーリー(物語)である、と本人は述べる。タイトルの「abandon(断念)/hope(希望)」には、次のような意味が込められている。
「生は欲望の中にはなく現在の中にある」
私はこの希望のない言葉が好きだ。実際、希望とはこのようなものだ。
観念に向かえば現在を見失ってしまう。
愛が姿を現すためには、希望が沈黙しなければならない…
それこそが善き始まりではないかと私には思えるのだ。」
デイヴィッド・シルヴィアン
また本展と同時に、瀬戸内国際芸術祭2013(瀬戸内トリエンナーレ)では、岡山・宇野港のメインプロジェクトとして、廃屋を利用したフォト・インスタレーション展「abandon/hope」が開催される。昨年2012年には、東京・中目黒にあるIMPOSSIBLE Tokyoでインスタントフィルム写真展「glowing enigmas」を開催し話題となったが、今回2か所で行われる本格的な写真展ということで、音楽ファンのみならず注目だ。
【写真展開催情報】
写真展「david sylvian abandon/hope」
会期:2013年7月22日(月)~2013年7月29日(月) 11:00-20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
住所:東京都港区南青山5-6-23
料金:無料
主催:eyesencia(hisako motoo + jun akaike)
■オープニングイベント
デイヴィッド・シルヴィアンが来日し、オープニングイベントを開催。
日時:2013年7月22日(月) 19:00~21:00
会場:CAY(スパイラル B1F)
料金:4,000円
【写真集情報】
写真集「david sylvian abandon/hope」
発売日:7月22日会場先行発売
■スペシャル・ヴァージョン I
限定50部
オリジナルプリント2点(abandon・hopeより各1点/作家サイン入り)およびplaybutton付き。スペシャルケース入り。
全世界50部限定の豪華版写真集。
■スペシャル・ヴァージョン II
限定250部
playbutton付き。作家サイン入り。
■普及版
限定700部
※playbutton - 写真集と本展示用に制作された音源が再生できる缶バッチ型メディアプレイヤー(URL:http://www.playbutton.jp/)
【問い合わせ先】
eyesencia:contact@eyesencia.com
■プロフィール
デイヴィッド・シルヴィアン(david sylvian)
1958年生まれ。ミュージシャン。JAPANでデビュー後、80年代よりソロ活動を続けている。90年代初頭より、ヴィジュアルによるアート・インスタレーションを手がけるようになっており、主な活動に「Ember Glance(記憶のパフォーマンス)」(91)、「Redemption -- Approaching Silence 贖罪ーしのびよる静謐」(94)[いずれも東京]など。2009年には、グラン・カナリー島でのビエンナーレに参加。2011年、ノルウェーのプンクト・フェスティバルでは美術館で、オーディオ・ヴィジュアル・インスタレーション「Uncommon Desires(非凡なる神性)」を展開。2012年、インスタントフィルム作品による個展「growing enigmas」を東京で開催。