企画展「石岡瑛子 I デザイン」が、茨城県近代美術館にて、2024年4月27日(土)から7月7日(日)まで開催される。北九州市立美術館 本館でも開催された巡回展だ。
デザイナー、アートディレクターとして、広告から舞台、映画まで、多岐にわたる分野で国際的に活躍した石岡瑛子(いしおか えいこ)。「メッセージは常に時代の中で刺激的でなければならない」と考えていた石岡は、デザインを通して人々に新しい生き方や価値観を提示することを試みたのだった。
企画展「石岡瑛子 I デザイン」は、東京を拠点にしていた1960〜80年代を中心に、石岡の仕事を紹介する展覧会。初期の仕事を代表する、資生堂(SHISEIDO)やパルコ(PARCO)の広告をはじめ、約500点を一挙公開する。
1938年に生まれた石岡は、働く女性がまだ少なかった時代、資生堂宣伝部に就職してデザイナーとしてのキャリアをスタート。66年の「太陽に愛されよう 資生堂ビューティケイク」では、従来の広告で起用されていた紋切り型の美人像を一新し、意志に溢れる女性像を打ち出している。本展の序盤では、新しい女性像を打ち出すことを試みた、資生堂での仕事に光をあてる。
70年代にフリーランスとなった石岡は、73年に渋谷パルコが開業すると、メインのキャンペーンを総括することになる。当時、パルコは池袋や渋谷にファッションビルを建て、街そのものを「劇場」と捉えて文化イベントなどを多角的に展開していた。石岡はパルコの一連のキャンペーンにおいて、性や国境、人種の枠組みを打ち破るべく、鮮烈なメッセージとともに斬新な表現を繰り広げている。会場では、パルコのブランドイメージを築くうえで重要な役割を担った、石岡の仕事を紹介する。
石岡は、他者とのコラボレーションを通じて、ひとりでは成しえない表現を展開していった。たとえば、マイルス・デイヴィスのアルバム『TUTU』では、顔と手のみで構成されたミニマルなデザインを、ファッション写真界の巨匠アーヴィング・ペンとともに生みだした。また、フランシス・フォード・コッポラとは、映画『地獄の黙示録』のポスター・デザインに続いて、『ドラキュラ』の衣装デザインにも携わっている。本展の終盤では、70年代以降のエンターテインメント分野における、グラフィック・デザインの仕事を中心に紹介する。
企画展「石岡瑛子 I デザイン」
会期:2024年4月27日(土)〜7月7日(日)
会場:茨城県近代美術館
住所:茨城県水戸市千波町東久保666-1
開館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、5月7日(火)
観覧料:一般 1,000円(870円)、満70歳以上 500円(430円)、高校・大学生 730円(610円)、小・中学生 370円(240円)
※( )内は20名以上の団体料金
※土曜日は高校生以下無料
※障害者手帳、指定難病特定医療費受給者証などの持参者は無料
※4月27日(土)は満70歳以上の入場無料
【問い合わせ先】
茨城県近代美術館
TEL:029-243-5111