企画展「フォトグラフィック・ディスタンス ─不鮮明画像と連続階調にみる私と世界との距離─」が、栃木県立美術館にて、2021年7月17日(土)から9月5日(日)まで開催される。
1970年代、油彩画以上に美的価値を付与されたのが、シルクスクリーンなどによる写真製版版画であった。網点ドットにより疑似的な階調が施されたハーフトーンは、低質の写真を拡大するいち手段でもあった。
1980年代になると、従来の写真家以上に高度な技術をもつ写真アーティストが登場。巨大サイズでありながらも粒子のアレることのない高精度な写真プリントが制作される一方で、網点ドットによるハーフトーン画像は淘汰されてゆく。
しかしながら、20世紀末から今日にかけて、高解像度の画像が世に氾濫するようになると、逆にボケやブレといった不鮮明画像に美的価値を見出されることとなったのだ。
企画展「フォトグラフィック・ディスタンス ─不鮮明画像と連続階調にみる私と世界との距離─」では、現代美術の表舞台からは消えたようにおもわれた写真製版などによる版画、高精細の写真プリント、そして写真のような絵画や版画など、互いに位相の異なる3様の表現媒体を比較。
吉田克朗や山中信夫、岡上淑子、森村泰昌、そして石原友明やジョルジュ・ルースといった作家の作品約90点を展示し、デジタル時代における不鮮明画像が有する新たな美的価値を確認するとともに、写真固有の連続階調の意義を再考する。
企画展「フォトグラフィック・ディスタンス ─不鮮明画像と連続階調にみる私と世界との距離─」
会期:2021年7月17日(土)〜9月5日(日)
会場:栃木県立美術館 企画展示室
住所:栃木県宇都宮市桜4-2-7
観覧時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(8月9日(月・祝)は開館)、8月10日(火)
観覧料:一般 800円(700円)、大高生 500円(400円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※企画展観覧券でコレクション展も観覧可
※予定は変更となる場合あり
【問い合わせ先】
栃木県立美術館
TEL:028-621-3566