青森の弘前れんが倉庫美術館では、2022年度 春夏プログラム「池田亮司展」を、2022年4月16日(土)から8月28日(日)まで開催する。
池田亮司は、1966年に生まれ、現在はフランス・パリと日本を拠点に活動する作曲家・アーティストだ。電子音楽の作曲を起点としつつ、音、イメージ、物質ばかりでなく、物理現象や数学的概念などの要素を精緻に構成することで、鑑賞者の感覚を揺さぶる没入型の作品を展開してきた。
2000年以降、池田はデータを主題とする表現を模索しており、とりわけDNA情報や素粒子、宇宙といった科学領域のデータに着目して作品に取り入れてきた。たとえば「data-verse」シリーズでは、NASAをはじめとする科学機関の公開データを収集し、加工・変換などの操作を経て構成された作品が、高解像度映像として展示室内に投影される。このように池田は、視覚的・聴覚的に体感できる作品によって、普段は意識されない膨大なデータの世界へと鑑賞者を誘うのだ。
弘前れんが倉庫美術館の「池田亮司展」は、2009年以来となる国内美術館での大規模展覧会。高さ15mの吹き抜けの大空間にプロジェクションを行うなど、煉瓦倉庫を改修した弘前れんが倉庫美術館ならではの建築空間と作品が共鳴・共振する展示を展開し、池田の活動を概観してゆく。
本展では、2021年にアート・バーゼルで公開された《data-verse 3》を日本初公開。「data-verse」は、NASAやCERN(欧州原子核研究機構)などの膨大なオープンデータを用いて制作された映像と音響による3部作であり、ミクロとマクロの視点を往還する壮大な旅が展開される。会場では、近年の池田作品の集大成ともいえる《data-verse 3》を、高さ15mの大空間への大型プロジェクションにより展示する。
また、本展ではさまざまな手法を用いた池田の新作や近作を紹介。レーザーによる作品「exp」や、床面へのプロジェクション作品をはじめ、鑑賞者の感覚の拡張を試みる多様な作品をとおして池田の近年の活動を展観する。加えて、池田によるこれまでの音楽作品の試聴や活動記録の閲覧が可能なスペースも設置する。
2022年度 春夏プログラム「池田亮司展」
会期:2022年4月16日(土)〜8月28日(日)
会場:弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2-1
開館時間:9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:火曜日(4月26日(火)、5月3日(火・祝)、8月2日(火)は開館)
観覧料:一般 1,300円(1,200円)、大学生・専門学校生 1,000円(900円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、弘前市内の留学生、満65歳以上の弘前市民、ひろさき多子家族応援パスポートの所持者、障がい者と付添者1名は無料
【問い合わせ先】
弘前れんが倉庫美術館
TEL:0172-32-8950