企画展「吉村 弘 風景の音 音の風景」が、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館にて、2023年4月29日(土・祝)から9月3日(日)まで開催される。
吉村弘(よしむら ひろし)は、1940年に生まれ、70年代初頭より環境音楽の先駆者として活躍した音楽家だ。エリック・サティの楽譜に魅了されて音楽の道に進んだ吉村の活動は、音楽にとどまらず、音を描くドローイングやパフォーマンス、サウンドオブジェの創案、執筆など、多岐にわたっている。なかでも、1982年にリリースされたLP『ナイン・ポストカード』は、環境音楽という言葉が日本で広く知られる契機となった。
一方、吉村は、公共空間の音響デザインも数多く手がけてきた。たとえば、1983年には釧路市立博物館の、1991年には営団地下鉄南北線の環境音を制作。さらに2003年には、神奈川県立近代美術館のサウンドロゴ《Four Post Cards》を作曲している。2016年に鎌倉館が閉館したのち、この曲は葉山館でのみ用いられていたものの、今回の展覧会を機に、鎌倉別館でも鎌倉バージョンが復活する。
吉村が2003年に亡くなり、没後20年を記念して開催される企画展「吉村 弘 風景の音 音の風景」では、「空気に近い音楽」を目指したその活動を、初期のコンクリートポエトリー、楽譜、写真、映像作品、サウンドオブジェ、そしてモビールなどから紹介。なかでも、吉村が1985年に撮影した5本の映像作品、《Rain》や《Tokyo Bay》などは初公開となる。
また、本展では、小杉武久(こすぎ たけひさ)や鈴木昭男(すずき あきお)とともに行ったパフォーマンスやサウンドインスタレーション、公共施設のための音楽なども紹介し、吉村の多彩な活動に光をあててゆく。
企画展「吉村 弘 風景の音 音の風景」
会期:2023年4月29日(土・祝)〜9月3日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)のぞく)
観覧料:一般 700円、20歳未満・学生 550円、65歳以上 350円、高校生 100円
※中学生以下、障害者手帳などの所持者および介助者原則1名は無料
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:5月7日、6月4日、7月2日、8月6日、9月3日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上のぞく)で観覧可
※そのほかの割引については問い合わせこのこと
※最新情報と来館に際しての注意事項については美術館ウェブサイトなどにて確認のこと
【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
TEL:0467-22-5000