2022年に東京都内で楽しめる、建築のおすすめ展覧会を特集。美術館・博物館・ギャラリーでの開催スケジュールを順次紹介する。会期や観覧料のほか、各詳細からは展示アート作品などの情報を確認することも可能だ。国内外の近代建築や現代の建築などについて理解を深められる企画をチェックしてみてほしい。
東京・アーティゾン美術館の展覧会「パリ・オペラ座─響き合う芸術の殿堂」は、バレエやオペラの殿堂として知られるパリ・オペラ座の歴史をたどるとともに、諸芸術との多彩な関係性にも着目。主に19世紀から20世紀初頭に焦点を合わせ、芸術的・文化的・社会的な視点からその魅力を紹介する。
会期:2022年11月5日(土)〜2023年2月5日(日)
会場:アーティゾン美術館 (東京都中央区京橋1-7-2)
東京・丸の内のインターメディアテク(INTERMEDIATHEQUE)では、エズミ(EZUMi)のデザイナー江角泰俊と建築家の隈研吾による特別展示「被覆のアナロジー ─組む衣服/編む建築」を開催。衣服と建築がともに持つ「包む」という性質の共通性に着目し、新しいデザイン手法を提示することを試みる。
「被覆のアナロジー ─組む衣服/編む建築」
会期:2022年11月5日(土)〜2023年4月2日(日)
会場:JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」2階 (東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE丸の内 2・3階)
東京の高島屋史料館TOKYOで開催される企画展「百貨店展 ─夢と憧れの建築史」は、日本の百貨店建築に着目しつつ、20世紀初頭から現代までを紹介する展覧会だ。年表や模型を通して百貨店建築におけるファサードやその空間の変遷をたどりつつ、商業や消費活動がいかに深く都市形成に関わるかについて再考する。
「百貨店展 ─夢と憧れの建築史」
会期:2022年9月7日(水)〜2023年2月12日(日)
会場:高島屋史料館TOKYO (日本橋高島屋S.C. 本館4階 東京都中央区日本橋2-4-1)
東京都現代美術館にて開催される企画展「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」は、デザイン・工芸・建築などの領域を横断し、20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えたジャン・プルーヴェの大規模展覧会。椅子をはじめとする家具から建築まで、20世紀という時代にデザインと生産を総合的に捉え、新たな技術や素材を追求したプルーヴェの仕事を紹介する。
「ジャン・プルーヴェ」展
会期:2022年7月16日(土)〜10月16日(日)
会場:東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1 木場公園内)
東京・六本木のamanaTIGP(アマナティーアイジーピー)では、安藤忠雄の個展「時をつなぐ建築」を開催。2つの歴史的建造物「プンタ・デラ・ドガーナ」と「ブルス・ドゥ・コメルス」の再生プロジェクトを取り上げた新作『ANDO BOX VII』から写真作品や模型などを公開するとともに、2019年に発表されたポートフォリオ集『ANDO BOX VI』から写真作品を展示する。
「時をつなぐ建築」
会期:2022年7月9日(土)〜8月13日(土)
会場:amanaTIGP (東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F)
東京の国立近現代建築資料館では、展覧会「令和4年度収蔵品展 「こどもの国」のデザイン ─ 自然・未来・メタボリズム建築」を開催。児童厚生施設「こどもの国」開園前後の資料を通して、当時の施設デザインの全体像に紹介する。浅田孝や黒川紀章、菊竹清訓など、「メタボリズム」の結成に携わった建築家が、若々しい発想力を活かして取り組んだデザインを目のすることができる。
「令和4年度収蔵品展 「こどもの国」のデザイン ─ 自然・未来・メタボリズム建築」
会期:2022年6月21日(火)~8月28日(日)
会場:国立近現代建築資料館 (東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内)
東京・寺田倉庫の「ワットミュージアム(WHAT MUSEUM)」で開催される「建築模型展 ─文化と思考の変遷─」は、時代や作り手の思考とともにあり方を変えていた建築模型に着目した展覧会。古墳時代の家形埴輪や江戸時代の延岡城木図など、各時代の貴重な作例に加えて、磯崎新やSANAA妹島和世+西沢立衛など現代建築家による模型を展示する。
会期:2022年4月28日(木)〜10月16日(日)
※7月4日(月)〜8月5日(金)の期間は、同時開催の展示入れ替えのため休館
会場:ワットミュージアム (東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号)
吉阪隆正は、近代建築の巨匠ル・コルビュジエに師事し、戦後復興期から1980年まで活躍した建築家だ。彫塑的な造形を特徴とするコンクリートの建築を数多く手がける一方、建築家にはとどまらない領域横断的な活動を展開したことでも知られている。東京都現代美術館の企画展「吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる」では、吉阪の建築とプロジェクトを紹介するとともに、多面的な活動の全貌に光をあてる。
会期:2022年3月19日(土)〜6月19日(日)
会場:東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
観覧料:一般 1,400円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円、中高生 500円、小学生以下 無料
白井晟一は、ユニークな建築を手がけ、“哲学の建築家”とも評された。その晩年の代表作である渋谷区立松濤美術館を会場に、2部構成で開催される展覧会「渋谷区立松濤美術館 開館40周年記念 白井晟一 入門」では、白井建築と多彩な活動の全体像を紹介。第2部では、松濤美術館そのものに焦点を合わせた展示を行う。
第2部「Back to 1981 建物公開」
会期:2022年1月4日(火)~1月30日(日)
会場:渋谷区立松濤美術館 (東京都渋谷区松濤2-14-14)
入館料:一般 1,000円、大学生 800円、高校生・60歳以上 500円、小中学生 100円
妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット「SANAA(サナア)」は、長年にわたって「環境と建築」をテーマに、内と外を緩やかに接続する建築のあり方を探ってきた。東京のTOTOギャラリー・間で開催される妹島和世+西沢立衛/SANAA展 「環境と建築」では、妹島と西沢が日本や中国、ヨーロッパなど各地で近年取り組んでいるプロジェクトを中心に紹介する。
会期:2021年10月22日(金)〜2022年3月20日(日)
会場:TOTOギャラリー・間 (東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル 3F)
入場料:無料
モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三は、住宅や公共建築のみならず都市デザインも手がけ、髙島屋の戦後復興にも携わった。高島屋史料館TOKYOの企画展「建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興 ─「輝く都市」をめざして─」では、のちの代表的な仕事である「東急会館」や「新宿西口広場・地下駐車場」にもつながる高島屋の戦後復興の仕事に着目し、坂倉の活動を紹介する。
会期:2021年9月15日(水)〜2022年2月13日(日)
会場:高島屋史料館TOKYO (東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋髙島屋 S.C. 本館4階)
入館料:無料