企画展「建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興 ─「輝く都市」をめざして─」が、日本橋高島屋S.C. 本館内の高島屋史料館TOKYOにて、2021年9月15日(水)から2022年2月13日(日)まで開催される。
坂倉準三は、モダニズム建築の巨匠であるル・コルビュジエに師事した建築家だ。住宅や公共建築のみならず、都市デザインまで手がけた坂倉は、髙島屋の戦後復興にも携わっており、それはのちに取り組む「東急会館」(1954年)や「新宿西口広場・地下駐車場」(1966年)といった彼の代表的な仕事につながるものであった。
企画展「建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興 ─「輝く都市」をめざして─」では、高島屋の戦後復興に着目し、坂倉準三の仕事を紹介する。
坂倉と高島屋の出会いは、1937年パリ万国博覧会における「日本館」の仕事を通してのこと。そして戦後まもなく手がけられた「高島屋和歌山支店」では、小規模な木造建築でありながらも、都市的な視点からバタフライ屋根とその下に広がるスロープ空間を構成し、近代的な百貨店空間を生み出したのだった。
続く1950年の「高島屋大阪難波新館改増築(ニューブロードフロア)」は、坂倉が初めて取り組んだ交通空間と商業施設の複合建築である。これは、戦災を受けた南海難波駅の高架下を高島屋の売り場へと大改装するものであり、坂倉は人流を“谷川の水”の流れに見立てることで、複雑な動線を見事に処理した。この成功がのちの「東急会館」(1954年)や「南海会館」(1957年)へと繋がり、「新宿西口広場・地下駐車場」(1966年)へと発展してゆくこととなる。
本展では、戦後に日本の経済が飛躍的に成長し、大衆消費社会へと向かうなかでの、坂倉と高島屋の協働に着目。人びとが集まる百貨店という公共空間をいかに生みだしてきたのか、そして都市における豊かな日常風景をどのようにして形づくってきたのかを紹介する。
企画展「建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興 ─「輝く都市」をめざして─」
会期:2021年9月15日(水)〜2022年2月13日(日)
会場:高島屋史料館TOKYO
住所:東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋髙島屋 S.C. 本館4階
開館時間:11:00~19:00
休館日:月・火曜日、年末年始(12月27日(月)~1月4日(火))
入館料:無料
※休館日・開館時間は臨時に変更となる場合あり
【問い合わせ先】
TEL:03-3211-4111 (代表)