京都の龍谷ミュージアムでは、春季特別展「ブッダのお弟子さん ─教えをつなぐ物語─」を、2022年4月23日(土)から6月19日(日)まで開催する。
紀元前5世紀ごろ、ブッダとなって仏教の開祖となったガウタマ・シッダールタ(釈尊)は、約45年にわたって当時のインド社会にその思想を広く説いた。その話を聞いて弟子となった人びとの社会的立場や背景はさまざまであり、その姿は仏教聖典の中の物語ばかりでなく、浮彫や壁画、彫刻といった美術作品としても登場するようになった。
春季特別展「ブッダのお弟子さん ─教えをつなぐ物語─」では、釈尊の弟子たちの姿を、インドや東南アジア、チベット、中国、朝鮮半島、日本の絵画や彫刻作品を通して紹介。釈尊を支え、もっとも活躍した10人の直弟子「十大弟子」、16人の高弟「十六羅漢」をはじめとする羅漢たち、そして維摩居士に代表される在家信者などに着目し、彼らのエピソードや個性にも光をあてる。
十大弟子とは、釈尊の直弟子のなかから選ばれた10人の高弟を指す。釈尊の後継者とされながらも師より先に亡くなった舎利弗(しゃりほつ)や、幼なじみの目連(もくれん)など、それぞれに個性豊かであり、多様な物語が伝えられている。本展では、十大弟子のエピソードにふれつつ、10人の弟子が十軀一具で揃う《木造 十大弟子立像》(重要文化財)をはじめ、インド周辺地域や東南アジア、東アジアで表された彼らの姿を紹介する。
十大弟子に続いて、理想の出家者として尊ばれた16人の高弟が十六羅漢だ。会場では、日本に現存する中国制作の最古の羅漢像、清凉寺蔵の《十六羅漢像》(国宝)など、十六羅漢にまつわる作品を紹介。また、十六羅漢の特徴をまとめた『法住記』を、これに先行する経典とともにひもとくことで、彼らが十大弟子の伝統を継承していることを見てゆく。
羅漢に代表される出家者には、厳しい自然環境下においても、僧院あっても、その修行生活を全うすることが求められた。羅漢信仰が興るなかで描かれた羅漢図には、理想の出家者の在り方を示す意味があったと考えられる。本展では、羅漢を群像で描いた《五百羅漢図》を中心に取り上げ、そこに表現された出家者たちの生活の一端に光をあてる。
春季特別展「ブッダのお弟子さん ─教えをつなぐ物語─」
会期:2022年4月23日(土)〜6月19日(日)
[前期 4月23日(土)〜5月22日(日) / 後期 5月24日(火)〜6月19日(日)]
会場:龍谷大学 龍谷ミュージアム
住所:京都府京都市下京区堀川通正面下る(西本願寺前)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館時間は16:30)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,300円(1,100円)、高大生 900円(700円)、小中生 500円(400円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※小学生未満、障がい者手帳などの所持者およびその介護者1名は無料
※前売券は4月1日(金)より発売
※予定は変更となる場合あり(最新情報については博物館公式サイトを確認のこと)
※画像の無断転載を禁止ずる。
【問い合わせ先】
龍谷ミュージアム
TEL:075-351-2500