特別展「～浮世絵師たちが描く～ 絶景！滑稽！なにわ百景！」が、大阪歴史博物館にて、2022年4月23日(土)から6月5日(日)まで開催される。

大坂の名所絵にみる絶景と滑稽

江戸時代には、版画や版本、絵画など、さまざまな媒体により名所が描かれ、大坂もその舞台のひとつであった。たとえば歌川広重は、堂島米市や雑喉場魚市の活況を描いている。また大坂では、名所絵を背景に珍騒動を描いた「滑稽」シリーズも人気を博した。特別展「～浮世絵師たちが描く～ 絶景！滑稽！なにわ百景！」では、江戸時代の大坂の人びとが、日々何を眺め、何に笑っていたのかに着目しつつ、名所絵を紹介する。

本展では、江戸時代の絵師が大坂の名所を描いた作品を展示。北斎が諸国11か所の名橋を描いた「諸国名橋奇覧」から、大川にかかる天満橋を描いた《摂州天満橋》を紹介するほか、歌川国員(くにかず)・歌川芳雪(よしゆき)・歌川芳瀧(よしたき)による「浪花百景」などを目にすることができる。

また、安政期頃には、江戸や京都、大坂の名所を舞台に繰り広げられるドタバタ劇を描いた錦絵シリーズが続けて制作された。会場では、歌川芳梅(よしうめ)・歌川芳豊(よしとよ)が大坂の50景を描いた「滑稽浪花名所」を展示。江戸や京都のシリーズと比べていっそう滑稽に描かれた、人物の動きの描写を楽しみたい。

大坂には、和歌に詠まれた古くからの名所が数多く存在する一方、江戸時代には、伝説や俗説に基づく「俗名所」が誕生、町角のおかしなものが名所として紹介され、商都・大坂の経済を支える水運開発とともに新たな観光名所が生まれることとなった。本展では、近世、近代、そして現代を通して名所が生みだされてゆくことの意味と、それを存分に活かし、楽しんだ人びとのたくましさに光をあてる。

展覧会概要

特別展「～浮世絵師たちが描く～ 絶景！滑稽！なにわ百景！」
会期：2022年4月23日(土)～6月5日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場：大阪歴史博物館 6階 特別展示室
住所：大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
開館時間：9:30～17:00(会期中の金曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日：火曜日(5月3日(火・祝)・6日(金)は開館)
観覧料：
・特別展のみ＝大人 1,000円(900円)、高大生 700円(630円)
・常設展との共通券＝大人 1,500円(1,440円)、高大生 1,030円(990円)
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下、大阪市内在住の65歳以上(要証明証提示)、障がい者手帳などの所持者(介護者1名含む)は無料

【問い合わせ先】
大阪歴史博物館
TEL：06-6946-5728