『しろくまちゃんのほっとけーき』などで知られる絵本作家・若山憲(わかやまけん)の展覧会「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」が、2022年7月2日(土)から9月4日(日)まで東京の世田谷美術館にて開催される。先んじて名古屋や福岡、広島でも開催された、巡回展だ。
絵本作家の若山憲は、グラフィックデザインの分野を経て、教科書の挿絵や紙芝居などを手がけた後、絵本の創作活動をスタート。詩的な画風で独特の絵本世界を構築し、代表作の「こぐまちゃんえほん」シリーズは、累計発行部数が1,000万部を超えるほどのロングセラーを記録した。このほか、絵本の研究誌『月刊絵本』創刊に関わり、絵で読む絵本「純絵本」を提唱するなど、絵本文化の普及にも貢献した。
若山憲の創作の全貌を紹介する初の大規模展覧会となる「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」では、絵本原画や絵本制作の過程で刷られたリトグラフ、雑誌の表紙原画、関連資料など約230点を紹介。展示品の数々を通して、豊かな作品世界を紐解いていく。
1970年の第1作『こぐまちゃんおはよう』に始まる全15作の「こぐまちゃんえほん」シリーズは、世代を超えて読み継がれてきた絵本シリーズ。“日本の子どもたちがはじめて出会う絵本を作りたい”というコンセプトから生み出された。若山憲を中心に、こぐま社創業者にあたる編集者や劇作家、児童文学者が集い、テーマの設定からストーリー展開、文とことば、絵に至るまで、全て4人の話し合いによって制作された作品だ。
会場では、そんな「こぐまちゃんえほん」シリーズの制作過程を示す原画やリトグラフを展示する。『しろくまちゃんのほっとけーき』表紙絵の「描き分け原画」や、「こぐまちゃんえほん」シリーズ発表前の貴重な下絵を目にすることができる。
また、「こぐまちゃんえほん」シリーズに加え、若山憲は創作絵本や、民話を再構成した絵本、詩集の挿絵なども制作。新美南吉による名作「てぶくろをかいに」「ごんぎつね」にも絵をつけている。会場には、「こぐまちゃんえほん」シリーズに留まらない多彩な若山憲の作品を展示し、若山憲ならではの美しい色づかいと繊細な表現を紹介する。
会期中、会場特設ショップでは、展覧会オリジナルグッズを販売。愛らしい「こぐまちゃん」のミニゴーフルやトートバッグ、マスキングテープ、メモパッドなど、チャーミングなグッズが店頭に並ぶ。また世田谷美術館ミュージアムショップでは「こぐまちゃんえほん」シリーズをはじめとする絵本も販売する。
【詳細】
「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」
会期:2022年7月2日(土)~9月4日(日)
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
時間:10:00~18:00(最終入場時間 17:30)
休館日:毎週月曜日 ※ただし2022年7月18日(月・祝)は開館、翌7月19日(火)は休館
観覧料:一般 1,200円、65歳以上 1,000円、大高生 800円、中小生 500円 ※未就学児無料
※6月1日(水)正午~日時指定券発売(オンライン・クレジット決済またはd払い)。
※障害者は500円、小中高大生の障害者は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料。
■グッズ例
・《神戸風月堂》ミニゴーフル 1,080円
・トートバッグ 1,650円
・マスキングテープ各種 550円
・メモパッド 770円
【問い合わせ先】
世田谷美術館
TEL:050‐5541-8600(ハローダイヤル)