宮永愛子展「くぼみに眠る海」が、東京のミヅマアートギャラリー(Mizuma Art Gallery)にて、2022年7月6日(水)から8月6日(土)まで開催される。
宮永愛子は、1974年京都で生まれ、日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品を手がけてきたアーティストだ。
近年、宮永は期せずして京都に移り住み、約16年ぶりに故郷で生活することになった。実家は、曾祖父・初代宮永東山が開いた宮永東山窯であり、約110年前の当時、和風住宅に洋間を設ける建築が流行した際、その洋間にふさわしい陶彫が数多く作られた場でもある。これら大量の石膏型は、整理が追いつかないまま家の工房に山積みにされており、宮永は幼少期より型のある景色のなかで生活してきたのだった。
外出が制限される昨今、身近な日常に目を向ける機会が増え、宮永は改めてこの型の存在に意識を向けることになった。石膏型は、作品としては展示されることのないいわば脇役であるが、そこに「凹み」としての不在を認め、今やほとんど現存していない陶彫に思いを馳せた宮永は、ガラスによって今の時間で取り出すことを試みた。
今回の個展「くぼみに眠る海」では、これらのガラス作品とともに、凹みの表層をなぞるかのようにナフタリンで薄くかたどられた彫刻もあわせて展示する。
宮永愛子展「くぼみに眠る海」
会期:2022年7月6日(水)〜8月6日(土)
会場:ミヅマアートギャラリー
住所:東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル 2F
開廊時間:12:00〜18:00
休廊日:日月祝
入場料:無料
【問い合わせ先】
ミヅマアートギャラリー
TEL:03-3268-2500