国際企画展示「加耶─古代東アジアを生きた、ある王国の歴史─」が、千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館にて、2022年10月4日(火)から12月11日(日)まで開催される。その後、2023年1月24日(火)から3月19日(日)まで、九州国立博物館に巡回する。
加耶(かや)とは、日本列島の古墳時代と同じ頃、朝鮮半島の南部に存在した国々だ(※)。4〜6世紀頃、互いに協力し、時には競い合いながら活躍した加耶は、海上交易と鉄生産を一体として運営して隆盛し、東の新羅(しらぎ)や西の百済(くだら)、海を超えた古代日本の倭、そして中国などとも交流して発展していった。しかし、新羅と百済という2つの強国に位置した加耶は、徐々に衰退し、526年には滅亡することとなった。
※考古学的には、金官加耶(きんかんかや)、大加耶(だいかや)、 小加耶(しょうかや)、阿羅加耶(あらかや)などの国々を確認することができる。
「加耶─古代東アジアを生きた、ある王国の歴史─」は、加耶の至宝を一堂に集めて紹介する、日本国内では30年ぶりの展示だ。大韓民国国立中央博物館の協力のもと、墳墓から出土した金銀のアクセサリーや、成長の礎となった鉄、対外交渉を示す外来の品々など、約230点の資料の展示を通して、加耶の成り立ちから飛躍、そして滅亡に至る歴史を詳らかにする。
加耶の発達の礎とその文化を示すものに、大きく4つを挙げることができる。すなわち、重厚な武装を整えいていた点、鉄生産と交易を一体として運営していた点、華麗な土器を生みだしていた点、そして諸国それぞれが特色ある王陵群を営んでいた点だ。
会場では、武威を示す武器や甲冑、整美な土器などを展示。また、加耶の社会を映しだしてきた墳墓にも着目し、その規模や形、副葬品、それらの変遷から、その歴史を紹介。韓国の重要文化財(宝物)に指定された、金銅製の冠や耳飾りも展示される。
さらに本展では、加耶と倭の交流についても紹介。加耶は、東アジア諸国と交流を重ねつつ成長を重ねており、たとえば4世紀、金官加耶は大規模な港を整備し、鉄を交易品として国際社会に乗り出した。一方で5世紀には大加耶が力をのばし、加耶諸国のなかで唯一、中国への遣使を実現させるほどの勢力を誇った。会場では、加耶の古墳で出土する倭の文物などを紹介しつつ、加耶と倭の密接な関係にも光をあてる。
国際企画展示「加耶─古代東アジアを生きた、ある王国の歴史─」
会期:2022年10月4日(火)〜12月11日(日)
会場:国立歴史民俗博物館 企画展示室A
住所:千葉県佐倉市城内町117
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料:一般 1,000円、大学生 500円、高校生以下 入館料無料
※総合展示も合わせて観覧可
※高校生および大学生は、学生証などを提示(専門学校生など高校生および大学生に相当する生徒、学生も同様)
※障がい者手帳などの保持者は手帳などの提示により、介助者とともに入館料無料
※半券の提示で当日に限りくらしの植物苑に入場可、また植物苑の半券の提示で当日に限り博物館の入館料が割引
※開館日や開館時間は変更となる場合あり
■巡回情報
・九州国立博物館
会期:2023年1月24日(火)〜3月19日(日)
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600