高知県立美術館では、展覧会「高知県立美術館 ARTIST FOCUS #03 角田和夫 土佐深夜日記─うつせみ」を、2022年10月29日(土)から2023年1月9日(月・祝)まで開催する。
「ARTIST FOCUS」は、ジャンルや年齢を問わず、高知ゆかりの作家を紹介する展覧会シリーズだ。その第3回では、高知県南国市在住の写真家・角田和夫(すみだ かずお)を取り上げる。
1952年高知県高知市に生まれた角田は、幼少期より対人関係に悩み、閉じこもりがちな思春期を過ごした。しかし、20歳頃に兄からカメラを譲り受けると、外界と関わりあう方法としての写真と出会うことに。それは角田にとって、いわば自身を癒すセラピーであり、自己表現であったという。以後、写真を通して、自らの表現と活動領域を拡げてゆくこととなる。
本展では、世界各地で活動しつつも角田が一貫して拠点とする高知の街を、肉眼では捉えることのできない光景を捉える赤外線フィルムによって撮影した3つのシリーズ、「満月の夜」、「土佐深夜日記」、そして「続土佐深夜日記」を紹介する。
「満月の夜」は、深夜の公園や雑木林を心象風景として切り取った最初期作だ。一方、「土佐深夜日記」は欧米でも高く評価される代表作であり、叔父の勤めるゲイバーを中心に、1980年代の歓楽街に生きる人びとの姿が写されている。そして、2020〜22年にかけて撮影された「続土佐深夜日記」においては、海外渡航が制限されるなか、自身の原点である地元高知の街やそこに生きる人びとを捉えている。
角田によるモノクロームの写真は、被写体に角田自身の弱さや孤独な心情が響きあいつつ生みだされる。本展では、黒々とした闇夜と、そこに捉えられた人びとが放つ眩く力強い光、これらがともに織りなす生の手触りを感じることができるだろう。
展覧会「高知県立美術館 ARTIST FOCUS #03 角田和夫 土佐深夜日記─うつせみ」
会期:2022年10月29日(土)〜2023年1月9日(月・祝)
会場:高知県立美術館 1階 第4展示室
住所:高知県高知市高須353-2
開館時間:9:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:12月27日(火)〜1月1日(日・祝)
観覧料:一般当日 370円(290円)、大学生 260円(200円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※年間観覧券所持者は無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳および被爆者健康手帳の所持者とその介護者(1名)、高知県および高知市長寿手帳所持者は無料
※「合田佐和子展 帰る途(みち)もつもりもない」(会期:2022年11月3日(木・祝)〜2023年1月15日(日))観覧券所持者は無料(当日にかぎり有効)
※本展観覧券でほかのコレクション展も観覧可
※11月3日(木・祝)は開館記念日のため観覧無料
【問い合わせ先】
高知県立美術館
TEL:088-866-8000