箱根の岡田美術館では、開館10周年記念展 第2部「歌麿と北斎 ─時代を作った浮世絵師─」を、2023年6月11日(日)から12月10日(日)まで開催する。

歌麿と北斎、ふたりの浮世絵師に着目

2023年秋に開館10周年を迎える岡田美術館。これを記念して開催される特別展は、これまでの展覧会で人気の高かった画家4人に焦点を合わせ、2人ずつ2部に分けて紹介するものだ。その第2部「歌麿と北斎 ─時代を作った浮世絵師─」では、喜多川歌麿と葛飾北斎を取り上げ、同時代やその前後の時代の画家とともに紹介する。

肉筆美人画を一挙に紹介

本展では、歌麿と北斎が手がけた肉筆美人画を一挙公開。歌麿以前の美人画においては、完璧な美しさを誇る理想的な女性像が好まれたものの、歌麿は人間らしい感情を持った女性を描きだした。表情や仕草に心の動きを込めた歌麿作品の特質は、北斎にも受け継がれることになる。会場では、歌麿の《三美人図》や《芸妓図》、北斎の《夏の朝》や《傾城図》など、ふたりの美人画の名品に加えて、勝川春章や上村松園の作品も目にすることができる。

歌麿最晩年の傑作《深川の雪》

また、歌麿が最晩年に手がけた傑作《深川の雪》を、9月8日(金)から12月10日(日)までの期間限定で展示。同作は、かつて栃木の豪商・善野家が所蔵していたものの、1952年の展示を最後に60年以上ものあいだ行方をくらませ、2012年に再発見されて岡田美術館に収蔵された。本展では、縦2m、横3.5mの大画面に芸者や遊女など26人を描きこんだ同作に着目し、それぞれの場面や登場人物、舞台となった深川という場所など、さまざまな視点からこの作品の魅力に光をあててゆく。

北斎の風景画や花鳥画なども

さらに本展では、北斎が手がけたさまざまな題材の作品を紹介。浮世絵の題材の中心が美人画であるなか、北斎は風景や花鳥など、あらゆるものを題材に絵を描いた。会場では、代表作《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をはじめ、義経と弁慶が出陣する前の場面を細密描写で描いた《堀河夜討図》や、数え年88歳で手がけた《雪中鴉図》などを展示する。

展覧会概要

開館10周年記念展 第2部「歌麿と北斎 ─時代を作った浮世絵師─」
会期：2023年6月11日(日)～12月10日(日) 会期中無休
会場：岡田美術館
住所：神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
開館時間：9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料：一般・大学生 2,800円(2,550円)、小中高生 1,800円(1,550円)
※( )内は前売料金
※前売券(JTBレジャーチケット、チケットぴあ)は、主要コンビニエンスストアおよびチケットぴあにて販売
※開館10周年記念展の会期中は、「10周年の感謝をこめてお誕生日ペア特別ご招待」を実施。誕生日当日の本人と同伴者1名の入館料無料(受付にて身分証明書を提示)

【問い合わせ先】
岡田美術館
TEL：0460-87-3931(代表)