企画展「中園孔二 ソウルメイト」が、香川の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて、2023年6月17日(土)から9月18日(月・祝)まで開催される。
中園孔二(なかぞの こうじ)は、25歳の若さで亡くなるまでに膨大な数の作品を手がけた画家だ。1989年、横浜に生まれた中園は、2006年、高校2年生の頃に美術の道を志すようになり、12年に東京藝術大学を卒業。関東を拠点に制作活動を行ったのち、瀬戸内をのぞむ香川に魅了された中園は、14年末同地に移住するも、翌年にこの世を去った。わずか約9年のあいだに手がけられた作品の数々は、ひとりの作家の手によるものとは思えないほどに多様な作風を示している。
企画展「中園孔二 ソウルメイト」は、中園が生前最後の日々を過ごした香川の地で開催される、過去最大規模の個展。未発表作品を含む約200点の絵画を一堂に集めて網羅的に紹介するとともに、イメージの源泉を垣間見ることができるドローイングなども紹介し、中園の創作活動に光をあててゆく。
会場では、中園の作品や制作活動を、幾つかの視点のもとで紹介。たとえば「多層の景色」では、中園の作品が持つ複雑なレイヤー構造に着目し、大型の絵画を展示する一方、「ひとびと」では、物思いに耽ったり、寂しげな表情を浮かべたりしている人物など、多彩な「ひと」の様なイメージを取り上げる。
また、本展では、中園の創作の源泉にもフォーカス。中園は、膨大な数のドローイングやコマ割り漫画などを、スケッチブックやノートに描き留めている。これらの資料からは、中園の内側から湧き出てくるかのようなイメージの源泉を窺い知ることができるだろう。
中園は自身のノートに、「ぼくが何か一つのものを見ている時、となりで一緒になって見てくれる誰かが必要なんだ」という言葉を書き留めている。「中園孔二 ソウルメイト」では、自身の世界観や感性を共有する親密な存在という意味で、「ソウルメイト」という言葉をタイトルに用いている。そして、混沌とした現代社会のなか、「ソウルメイト」を願い求め、孤独を昇華するかのように表現した作品の数々を紹介する。
企画展「中園孔二 ソウルメイト」
会期:2023年6月17日(土)〜9月18日(月・祝)
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 3階展示室C
住所:香川県丸亀市浜町80-1
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般 950円(760円)、大学生 650円(520円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※高校生以下、18歳未満、丸亀市在住の65歳以上、各種障害者手帳の所持者および介護者1名は無料
※同時開催の常設展「猪熊弦一郎展」の観覧料を含む
※画像の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
TEL:877-24-7755