奈良県立美術館では、開館50周年記念 特別展「仮面芸能の系譜─仮面芸能のふるさと奈良─」を、2023年9月30日(土)から11月12日(日)まで開催する。
日本には、先史時代から続く仮面芸能の文化が息づいている。すでに縄文時代に制作された土面に見るように、日本には仮面造形への関心があった。飛鳥時代、日本の仮面芸能の源流となる伎楽が大陸からもたらされており、平安時代には、国内外各地の歌舞音曲が宮廷を中心にまとめられて、宮廷の祭祀、寺社の祭礼で演じられる雅楽や舞楽に大成されている。
このように、日本の仮面芸能は、神事や仏事、祭礼を飾る芸能へと取り入れられてきた。ここから、猿楽や能楽が育まれてゆく。神仏への祈願と深く関わる芸能「翁」を演じた猿楽師は、やがて活動の中心を能へと移していったのだ。室町時代には、観阿弥や世阿弥、金春禅竹らによって「翁」芸能の寸劇や歌舞の水準が引き上げられ、現在の能楽の原型が整えられることになる。
特別展「仮面芸能の系譜─仮面芸能のふるさと奈良─」は、奈良で育まれた仮面芸能を体系的に紹介する展覧会。先史時代の遺物から伎楽、雅楽や舞楽、そして猿楽や能楽まで、仮面芸能において用いられる仮面に加えて、装束や楽器、歴史資料、復元模造作品などを展示する。
開館50周年記念 特別展「仮面芸能の系譜─仮面芸能のふるさと奈良─」
会期:2023年9月30日(土)〜11月12日(日)
[前期 9月30日(土)〜10月22日(日) / 後期 10月24日(火)〜11月12日(日)]
会場:奈良県立美術館
住所:奈良県奈良市登大路町10-6
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:10月2日(月)・10日(火)・16日(月)・23日(月)
観覧料:一般 1,800円(1,600円)、高校・大学生 1,600円(1,400円)、小・中学生 1,400円(1,200円)
※( )内は20人以上の団体料金
※無料対象:(1) 奈良県内在住の小・中学生、県内の小・中学校に在学する児童・生徒 (2) 身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の所持者および介助者1人 (3) 外国人観光客、留学生
【問い合わせ先】
奈良県立美術館
TEL:0742-23-3968