「キュビスム」日本で約50年ぶりの展覧会、国立西洋美術館で - ピカソなど日本初出品50点以上

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キュビスムの動きには、ロシアなど東欧出身の芸術家も関わっている。20世紀初頭のロシアでは、フランスのキュビスムと、イタリアの未来派がほぼ同時期に紹介されている。未来派は、機械と都市の発展を背景に生まれ、現代にふさわしい機械のスピード感や力強さを表現しようとしたものだった。

ロシアでは、キュビスムと未来派から影響を受けて「立体未来主義」が展開。ミハイル・ラリオーノフやナターリヤ・ゴンチャローワが活躍している。たとえばゴンチャローワは、キュビスムの写実性にとらわれない画面構成と、都市や機械といった未来派的なテーマを織り交ぜて、《電気ランプ》などの作品を手がけた。

キュビスムと世界大戦、その後

1914年に勃発した第一次世界大戦は、ヨーロッパの芸術家に大きな影響を与えた。キュビスムも例外ではなく、ブラックやレジェなど、フランス人芸術家の多くが戦争に動員されている。また、激化した大戦を経て、キュビスムのような前衛的な表現よりも、伝統や人間性を重んじるクラシカルな表現に重きが置かれるようになった。

たとえば、戦後に描かれたピカソの《輪を持つ少女》は、赤や青、黒などの平坦な面で人物を構成するなど、キュビスムの作風を踏まえてはいるものの、その背景に見える鏡の縁は写実的に描かれるなど、前衛と古典が歩み寄った表現を見てとれるだろう。

また、戦後間もない1918年には、キュビスムを乗り越えることを試みる動きが、画家のアメデ・オザンファンと建築家ル・コルビュジエによって打ち出された。この芸術運動「ピュリスム(純粋主義)」は、幾何学的表現に、自動車や飛行機などの機械と通ずる合理性を見るものだった。このような合理的な美意識は、ル・コルビュジエが設計を手がけた国立西洋美術館の建物からも感じることができるだろう。

キュビスムにちなんだグッズを販売

「キュビスム」日本で約50年ぶりの展覧会、国立西洋美術館で - ピカソなど日本初出品50点以上｜写真24

美術館内の特設ショップでは、展覧会「キュビスム展─美の革命」にちなんだグッズを販売。キュビスム作品をモチーフとしたイヤリングやブローチといったアクセサリー、ル・コルビュジエやドローネーらの作品をプリントしたTシャツなどを取り揃えている。

フォトスポットも

「キュビスム」日本で約50年ぶりの展覧会、国立西洋美術館で - ピカソなど日本初出品50点以上｜写真29

会場には、イラストレーター・ウォルナット(WALNUT)のオリジナルイラストによる、キュビスムをテーマとしたフォトスポットが登場。東京を拠点に活動するウォルナットは、世界各国のミュージシャンのグッズデザインを手がけるほか、ファッションブランドなどともコラボレーションを行っている。今回は、ウォルナットが訪れたパリの男女と、本展の出品作品をイメージしたモチーフを、キュビスム風に描き下ろした。

オリジナルステッカー＆ペアチケットをプレゼント

「キュビスム」日本で約50年ぶりの展覧会、国立西洋美術館で - ピカソなど日本初出品50点以上｜写真28

「キュビスム展─美の革命」のペアチケットを、イラストレーター・ウォルナットが本展のためにイラストを描き下ろしたオリジナルステッカーととともに、20組40名様にプレゼント。

■企画展「パリポンピドゥーセンターキュビスム展」プレゼント企画
ステッカー付きペアチケットを、抽選で20組40名様にプレゼント。
応募期間：2023年10月16日(月)〜26日(木)
プレゼント内容：「キュビスム展─美の革命」ペアチケット、キュビスム展アンドウォルナットコラボステッカー
応募方法：
(1) ファッションプレス公式Xアカウント「@fashionpressnet」をフォロー。
(2)
・ハッシュタグ「#cubismFP」と本URL(https://www.fashion-press.net/news/109601)を入れてXに投稿。
あるいは
・Fashion Pressの投稿(https://twitter.com/fashionpressnet/status/1713887538824597589)をリポストorいいね！
(3) 当選者には、ファッションプレスよりXダイレクトメールにて通知。

展覧会概要

企画展「パリポンピドゥーセンターキュビスム展─美の革命ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」
会期：2023年10月3日(火)〜2024年1月28日(日)
会場：国立西洋美術館
住所：東京都台東区上野公園7-7
開館時間：9:30～17:30(金・土曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日：月曜日(10月9日(月・祝)、1月8日(月・祝)は開館)、10月10日(火)、12月28日(木)～1月1日(月・祝)、1月9日(火)
観覧料：一般 2,200円、大学生 1,400円、高校生 1,000円
※チケットは、国立西洋美術館インフォメーション、、公式オンラインチケット、TBSチケット、セブンチケット(セブンコード 102-673)、ローソンチケット(Lコード 35365)、チケットぴあ(Pコード 686-626)にて販売
※中学生以下、障害者手帳の所持者および付添者1名は観覧無料
※高校・大学生、中学生以下、障害者手帳の所持者は、入館時に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳を要提示
※観覧当日にかぎり、本展の観覧券で常設展を観覧可
公式サイトURL：https://cubisme.exhn.jp

■グッズ例
・Tシャツピカソ 6,050円
・Tシャツドローネー 5,500円
・イヤリング、ブローチ 4,620円
・AyanoFukumura ネックレス M 7,260円

■巡回情報
・京都市京セラ美術館
会期：2024年3月20日(水・祝)〜7月7日(日)
住所：京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600(ハローダイヤル)